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「…が、……？」
「ちゃ…！…いの、……」
皆の声が途切れ途切れになって会話が聞き取れへん。
あの後治ったと思った目眩は再来してきてなんとか練習はやり切った気がするけど今座ってるであろう椅子から1歩も動かれへん。
「……ら？お…、…！！」
「り…ちゃ、く」
うっすら見える視界に見えたメンバーの顔を捉えると俺の体はそのまま前のめりに傾いた。
＊
「みんなこの後予定あんの？」
「俺あと帰るだけ〜。」
「俺も俺も。」
「この後…は、特に何もないっすね。」
「じゃあ飯行かん？久々に。」
「ええやん！行こいこ！」
「誠也くんゴチになりまーす！」
「なんで俺が払うねん。」
各々楽器を片付けながら荷物もまとめはじめる。
なんか俺が知らん間に飯行く流れになってたみたいで「リチャも行くやろ？」って言う末澤の声に生返事で返した。
「さくは？…さく、？」
「なに？」
やけに歯切れの悪い大晴の視線の先にはパーカスの椅子に座ってるっていうか体預けてぐったりしてるさくらの姿。
もしかして、
「さくら？聞こえる？」
嫌な予感しかせんくて慌てて声をかけてもうっすら目が開いたり閉じたりするだけで反応がないどころかそのまま俺の方に倒れ込んできた。
「さくっ。」
「なになになに。どうした。」
「こいつ多分調子悪い。顔色やばいし。」
「うわ…ほんまや。」
「貧血っぽいな。動ける？」
ほぼ椅子から崩れ落ちてる形で俺からは顔見えへんけど普段あんま汗かかへんのにTシャツ湿ってるしずっとしんどかったんやろうか。
「でもそろそろ部屋出なあかんしもう医務室も閉まってるから…」
「あ、俺今日車やし一旦俺の車乗せる？」
「そやな。そうしよ。」
「っ、ぇ…」
「ごめんごめん、しんどいけどちょっと動かすよ。」
「はーい、出た出た。」
とりあえず俺に寄りかかってるさくらを晶哉が抱えて先に大晴の車へ。
「あいつ…上手いこと隠してたな。」
「全然気づかれへんかったわ……」
「ほんま、こんな時だけ変に気遣う癖直らへんね。」
正門の言葉にいつしかのさくらの姿を思い出す。
「…頼る、か。」
どこまでも不器用で甘え下手な末っ子。
いつかあの子が自分に素直になれる時が来ますように。
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ぽむ(プロフ) - こちらこそ余計なお世話を申し訳ございません🙇琉生くんが猫に嫉妬したりする話可愛かったです！これからも更新楽しみに待ってます！ (5月10日 21時) (
レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
i(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます🙇🏻紛らわしくしてしまって申し訳ないです。設定変更しておきます😭 (5月10日 17時) (レス) id: c771cdb231 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 初コメントです。琉生くん可愛くて楽しみに読んでいます。ときどき、iさんの小説が更新されていないときに更新通知が来るのですが、もしかして新しい小説の更新がないときは「更新を通知しない」みたいな設定もできるみたいです〜 (5月10日 14時) (レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：i | 作成日時：2023年3月15日 17時
