さむがり ページ12
「まさや〜。あっためて〜。」
「なんやねんもう。自分の防寒着羽織ったらええやん。」
「人間の暖かさを求めてるんよ。分かる？」
「分からん。防寒着で充分や。」
「これやから佐野くんは…」
「黙っとけ。ほら、入れたるから。」
「わーい。」
横でピーチクパーチク鳴いてるさくらを黙らせるために自分のコートの中に収める。
20cmくらい開いた身長差は縮まることを知らんくてコートの中で溺れそうになってた。
「晶哉でかい。縮んで。」
「ばか、無理に決まってるやろ。」
「そもそも俺まだ伸びるし。」
「絶対ない。」
「実は成長期来てへんねん。やから希望はある。」
「無いです。諦めてください。」
150cmから158cmぐらいまで一気に伸びた時がさくらの成長期の終わりや。
そこで終了。
「何してるん2人で。」
「人間カイロ〜。」
「そりゃええこっちゃ。あっためてもらいや。」
「正門くんいりませんか？」
「あいにく俺はコンビニのカイロで間に合ってるわぁ。」
1人でココアなんか飲んで暖まってんのずるいな、それ。
こっちは身動き取れへんのに。
「いでっ。動くんなら言うてや。」
「俺もなんか暖かい飲み物欲しなってきた。」
「晶哉何貰う？」
「お茶かなぁ…」
「じゃ俺レモンティー。」
それだけ言うと俺のコートの中から抜け出してケータリング配ってるスタッフさんのとこに走っていった。
さっきまで寒い寒い言うてたやんけ。
「はい、お茶。」
「ありがとう。」
紙コップを受け取る時に触れた指先は随分冷えてて。
そのままさくらの小さな手ごと包み込んだ。
「晶哉の手、あったかいね。」
「さくらが冷たすぎるんちゃう？」
「冷え性やもん。」
「じゃあもうちょっとだけこうやってしといてあげる。」
心も体も、暖かくなりますように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽむ(プロフ) - こちらこそ余計なお世話を申し訳ございません🙇琉生くんが猫に嫉妬したりする話可愛かったです！これからも更新楽しみに待ってます！ (5月10日 21時) (
レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
i(プロフ) - ぽむさん» コメントありがとうございます🙇🏻紛らわしくしてしまって申し訳ないです。設定変更しておきます😭 (5月10日 17時) (レス) id: c771cdb231 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ(プロフ) - 初コメントです。琉生くん可愛くて楽しみに読んでいます。ときどき、iさんの小説が更新されていないときに更新通知が来るのですが、もしかして新しい小説の更新がないときは「更新を通知しない」みたいな設定もできるみたいです〜 (5月10日 14時) (レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：i | 作成日時：2023年3月15日 17時
