虹がかかる空に＊9＊

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崇裕side





入院して１週間、毎日行っても大毅の反応はそっけなくて





初日のかわいさはどこへやら…むしろ嫌われてんちゃうかって感じ。






それから３日後に仕事中に大発作起きたって、急に電話が来て病院まで駆け付けた




発作は治ったからひとまず問題ないってことやったけど、今日は特別に一緒に泊まっていいらしい





顔色もいつもと変わらんし、とりあえず変化はなさそうで安心した






崇「大毅、おとん来たで」

大「おとんっ…こんでもっ…よかったのに…」

崇「なんでや、今日はおとん泊まるんやで」






泊まるって言うてんのに嫌そうな顔する大毅





何で大毅そんなおとんのこと嫌いになってん





あれか、早めにもう来たんか反抗期






崇「なんで、おとんのこと嫌いなったん？」

大「ちゃうもんっ…おとんっおしごと忙しいから」

崇「忙しくないよ」

大「僕ここおったら…おとん毎日くんの大変やろっ…ここ、遠いもんっ…」

崇「大変ちゃうよ…何やねん大毅もうっ…」





あぁ、全部大毅なりの優しさやったんやってわかったら




溢れそだした涙が止まらない





慌てて後ろ向いて、大毅に気づかれんようにする





大「おとんどしたん」

崇「おーなんでもないわ！！」






まだ一年生、そう思ってたのに俺が思うよりずっと大人になってて





俺に心配させないために、寂しかった気持ちグッと堪えて耐えてたんやなと思ったら泣けてきた






崇「大毅、おとんに気遣わなくていいねんで…泣きたかったら泣いたらええよ」

大「ほんまにっ…」





慌てて自分の涙を拭って、ポロポロ流れていく大毅の涙をタオルで拭きながら笑う俺





崇「辛かったら言っていい…いっぱいいっぱい甘えていいから。
大毅が思ったこと、これからもおとんに教えてや」

大「っわかった」





1人でここまで考えられる大人になった大毅の成長も





それを自分なりに俺にやってたことも愛おしくて





ぎゅっと抱きしめたら大毅にうざがられた







崇「かわいいやっちゃな！」

大「やめてーや」








まだ小さくて可愛い大毅をこうやって抱きしめられるのはあと何年だろう





これからいろんなことあるやろうけど





こんなに優しい子に育ってくれただけでほんまに嬉しいよ。

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