虹がかかる空に＊9＊

3 ページ30

崇裕side





次の日の面会は１時間。





入院の日絶対離れんへんなと思ったけど、意外とお兄さんのワード出したら頑張ってくれたもんな。





やっぱりデリケートやからお腹にきちゃったみたいで




看護師さんから聞いたら昨日からお腹痛いらしい。






部屋入ったら顔も出さずにベッドの上の布団にくるまってる大毅




こんもりした布団しか見えへんけど(笑)






崇「大毅、おはよ」

大「あっ、おとんやっごほごほっ……」







顔だけ出した大毅の顔、ちょっと目潤んでる





泣いたんかな。





崇「大毅、着替えと…ほらこの前めっちゃ読みたい言うてた漫画買ってきたで」

大「もっ、おとん嫌いっごほごほっ…」

崇「なんでーや」






俺的には結構、良い作戦やと思ってんけどな




あかんかったか。





崇「顔出してや」

大「いややもんっ…おとんきらいやもんっ…もうこんといてっ…」






大毅の顔は青白くて目のクマもくっきり




あんまり昨日寝られへんかったんやろな。






崇「さっき看護師さんから聞いたけど、お腹痛いん？」

大「違うもんっ…ごほごほっひゅっ…」







咳しながら涙目でお腹さすってるから、可哀想になる





1年生になったけどまだまだ子供やもんな





可哀想なことしたな。






崇「ごめんごめん…寂しかったよな」

大「もー寂しないもん。
大毅おうち帰らんでいいもんっ…げほごほっげほっ」






咳しながら、また大毅の目から涙が溢れてきて心がギュッとなる





崇「大毅、治っても帰らんでいいの？」

大「いいもんっ…おとんもう早く帰ってや…」

崇「大毅、病院住むんか？」

大「ちゃうもんっ！」





まぁこれは冗談やけど、あんまり笑ってくれへんな。




突き放しすぎ？寄り添いすぎ？





自分の子なのに、大毅の考えてること時々全然わからんくなる。

4→←2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す