虹がかかる空に＊9＊

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流星side





望のご飯、また半分しか食べられなかった





毎日忙しいのに作ってくれてるのに申し訳ないな。





えぐられたようなソコの傷はまだ痛いし





傷が深かったせいで、トイレの感覚もわからなくなってしまった。





あの日から時間が止まったみたいに、俺はまだあの廃墟にしばられてる






話したいことは、胸の奥に支えて声にならなくて





大袈裟じゃなく望がいなかったら、俺は生きてない。





まだ治らない傷が治る頃には俺も笑えるようになるんだろうか。






望「痛くない？大丈夫？」





お風呂から上がると、望が体を拭きながら優しくソコの傷に薬を塗ってくれる




悲しいとか辛いとか、そんな感情すらとっくに捨ててしまった






流「んっ……」






困らせてるってわかってても、触れられるとあの記憶がフラッシュバックして




言葉の代わりに涙が一筋流れる






望「嫌やな、ごめんな。早く終わらせるから」







こんな汚い身体でごめんなって、言葉にならない気持ちを今日も抱える





たくさんの迷惑をかけて生きてるのに




惨めなんて言葉じゃ、言い表せないくらい消えたい気持ちに苛まれてるのに





望はどうして、俺に笑いかけて抱きしめるんだろう






望「流星のことが大切やから、それだけ」







なにも言ってないのに、笑いながらそう言う望





なんで俺の気持ち、分かるんやろ





望はずっとずっとそうしてきてくれた







朧げに思い出す、優しくて賑やかな





みんなに会いたくなるな。

3→←1心が澱む時(ツイン) さくらっちさんリク

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