虹がかかる空に＊9＊

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智洋side





生まれてからずっとそうやった、俺は誰かの助けを借りなきゃ生きていけないのに





熱が出ると、いつも以上に何もできなくなる。





朝方やっと寝れたのに起きちゃって時計見たらまだ朝の8時くらい





体が楽なことだけ、よかったと思うけど






ふと横見たら、おとんが寝てる。





熱出たら俺を抱えて病院行ってくれて、病院泊まり込みで俺のことみてくれて




疲れてるはずなのに、ずっとそばにいてくれる




おとんにもちょっと寝てもらいたい。





そっと部屋を抜け出して、杖を手にくくりつけて歩く






智「っはぁ…はぁ…はぁっ…」



　

さっきまでマシになってたのに、ちょっと歩いたらすぐこれ





いつもおとんに買ってもらってるお茶、もうないから買いたくて




目当ての売店の前まで来て、熱が上がってきたような嫌な感覚に





座り込みそうになるのを必死に堪える


　

コンビニは朝だからか混んでて、いつもこんなに混んでるところで買い物してくれてるって初めて知った





いつも買ってくれるお茶を買って、部屋に戻ろうと歩き出したけど





ガタンッ！！






今度は頭が痛くなってきて、思わず廊下に座り込んじゃった






淳「智洋！」






俺を探して走ってきた、遠くにいるおとんと目が合ったら



　

また涙が出そうになる





智「なんで…なんでこんなことも、できひんねん…」






必死に涙を堪えながら言った俺の言葉





誰かに届かないかな。

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