Heart dentist (ページ5)

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望side

麻酔で歯を触ってもそこまでの痛みはなくなってきた

痛くて自然と泣いてしまってんのも声が出ちゃうのも恥ずかしい

淳「麻酔効いてきたな？削ってくよ？」

淳太の言葉にグッと体を硬くする、削る時のこの音も痛みもほんと怖いねん

淳「目閉じてな、俺の手握っていいから」

ぎゅっと目を閉じると、キュイーンって大きい音が聞こえて耳を塞ぎたくなる

でも、淳太の手握ってると不思議と安心できる

淳「痛くない？」

望「ぁいじょぶ… 」

もう削られてるんやってわからんくらい、痛みがない

大丈夫やなって思ってたら、またズキズキと痛み出した

淳「ちょっと神経近いとこ削ってくからな」

キュイイーンキュイーン！

さっきよりも痛みが強くなって、歯を突き刺すようにドリルが回る

望「んっ…あっあ…う……いはぁ…はぁああああっ！！」

キンとした頭に突き抜けるような痛みで、思わず声も大きく手足も動かしたくなるのを必死に抑えて治療台と淳太の手を握る

それでも、足はモゾモゾ動いてしまって淳太に顔をがっしり掴まれる

淳「麻酔、ちょっと追加しようか？
効いてる間に終わらせたいから、もうちょっと頑張ろな？」

望「………うっ」

また痛くなるの嫌やし早く終わってって思いながら淳太にまた麻酔してもらって頑張ろって頷いたのに

ギンとした痛みは変わらずでドリルが当たってなくても痛い

容赦なくドリルが俺の歯に当たって、ギンギンとした痛みが強くなってまた堪えていた涙が流れてくる

望「いはぁ、んはぁぁああっがああああっ！」

淳「あともうちょっと、頑張れ！」

望「んっ、ああっ、あ！！」

それでもなんとか淳太の声聞いて、体動かさないで頑張った

叫びすぎて声が枯れそうになった頃、ドリルの音が止まった

淳「よう頑張ったな」

　

頭を撫でられながら、汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔を手で拭った

淳「起き上がれる？
口濯いで、そっち痛い方気をつけてな」

ちょっとクラクラする頭で口の中に水を含むと冷水が一気に菌でやられた神経がむき出しのところへ、冷水がかかり

思わず激痛が走り変な声が出た

望「んはっ！！」

淳「ごめん刺激になってしまったな…痛いな」

望「も…淳太嫌いやぁ…」

もっと痛みが強くなり激痛のまま

望「また痛くなったぁ…淳太嘘つきっ…」

痛いの無くすための治療なのに、最初より痛いねんけど