Heart dentist (ページ4)

今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:9,150 hit

4 ページ4

淳太side

望の治療は、正直1人じゃ難しいと思うけど

人が多いほど緊張して怖くなってしまうから今日は俺1人でやる

とりあえず開口器はつけたから、ミラーでもう一度確認しながら深さ見るために探針を入れてみる

望「そへ、いやっ…」

淳「嫌やけどちょっと触るな？」

嫌とか言われても、やめるのは望のためにならん

この痛みを取らないと、どんどん広がってしまう

望「ぁあっ！んはぁっ！！はぁあああっ！！」

探針を少し強めに奥に入れると、見えてた歯がぼろっと取れて歯が崩壊した

思ってたより深い虫歯やったみたいやな、こんなん触らんでも痛いやん

望「あがっ……んはぁぁぁあがぁっ！！」

もう一度器具入れて、崩れたカケラを取り出すとなりふり構わず大声で叫ぶ望

頭や体はガクガクと痙攣するように震え、望の大きい声が部屋の中に響いて体がビクンと大きく揺れて頭が横を向く

顔を顰め、眉間には深い縦皺

治療台を掴む手の甲から血管がビキビキと浮かびあがっていく。

目尻からは一筋の涙が流れ落ちた

望「いはぁいっ…」

淳「ごめん、ごめん痛かったな？
ちょっと虫歯深かったみたいや…神経も抜かんとあかんかも
でものんちゃん、危ないから顔は上向きやろ？」

望「んーっ」

これだけなのに、ポロポロ涙が流れてきて怖いからなんか痛いからなんかはわからんけど

望のためやと思ってても可哀想な気持ちになる

望「もぉ…いややぁ…っ…」

淳「頑張ったな、頑張ったな、あともうちょっと頑張れるか？」

綺麗な目から流れてくる涙を、そっと拭きながら頭を撫でる

泣きながらも首を縦に振るから、早く終わらせたろと思って頭の位置を元に戻す

そして用意してた麻酔を手に取る

淳「麻酔するから、目閉じてな？
いち、に、さんでいくで」

望「ちゅ…しゃ……怖い」

なるべく望の目に注射器が入らないように持って、目を閉じる

淳「大丈夫、痛くないように3回やるな？
いち、に、さん」

望「んはぁっ！！」

また大きい声で望の体がビクンと動く、眉間に皺寄せて一生懸命に耐えてるけど

さっきの痛みに比べたら麻酔の方が痛くないのかも

淳「いち、に、さん
いち、に、さん」

望「いはぁっ！！んはぁっ！」

入れながら、いちいち体が動いてしまう望の頭だけがっつり固定して3回麻酔をかける

これでどうにか、痛みは楽になるとええんやけど。

　