Heart dentist (ページ1)

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1歯医者恐怖症(こたじゅん) ページ1

望side

望「…っんっ…」

昨日からじわじわ痛み出した歯が、今朝はもう朝からズキズキ痛くて痛みで起きてしまった

昨日鎮痛薬も飲んだのに効いてなくて何もしなくてもズキズキする

歯磨きもそれなりにしてきたツケが回ってんな…

鏡を見たら、もう左下が腫れ上がっててどう見ても虫歯やなってわかる

恐る恐る口を開けて鏡の中の歯を見ると暗くて見えへんねんけど、おっきい穴が空いてんのはわかる

治療せんと一回痛み出した歯が治ることはないってわかってるけど、歯医者行くん怖いし淳太に絶対怒られるし

他に治る方ないかなって思う

望「おはよう、行ってきます」

淳「おはよう、もう行くん？」

下に降りて、淳太と顔を合わせたら腫れてんのバレてまうし顔を合わせないようにすり抜けるけど

そのまま学校行こうとして呼び止められた

望「今日早く行こうとおもって…」

淳「せめてコーヒーくらい飲んで行きや」

望「うん…」

ここで不審がられてもあかんし、ちびっと飲んだら大丈夫やろうと思って飲んでみた

望「んはっ！！」

ただでさえ痛いのに、そこにコーヒーが流れたら脳天を突くような痛みが走って思わず声が漏れ思わず頬に手を当てた

俺のその声を見逃さなかった淳太が読んでた新聞から顔を上げた

淳「のんちゃん、なんか隠してる？」

望「いや…何も？」

淳「手どかしてみ？」

望「…いやや…俺もう学校行く」

淳「望、バレてないと思った？」

望「いやや、触らんといてっ！」
　

俺の抵抗むなしくぐっと手を掴まれて、そのまま隠してた手を退かされた

淳「……はぁ…」

兄ちゃんの変なため息だけ聞こえて、泣きそうになる

歯医者行けとか言うんやめてや

兄ちゃん、歯医者やねんもん。