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大毅side
大「神ちゃん!?」
帰り時間で混み合ってる人混みの中、人だかりができてて覗いた真ん中に神ちゃんがいた
座り込んで、耳を押さえたまま小さく震えてる
大「どしたん、何があってん?」
神「んもぉない」
大「何もないわけないやん、痛いやろ?」
ポタポタと制服のワイシャツに耳から血が垂れてて、ただことやないってこっちがパニックになりそう
大「耳、つけてたやつは?」
辺りを見回すと、血のついたままの補聴器が床に落ちてる
大「酷いことするやつおんねんな…とられたん?」
神「もぉ…はなしぃ…かぇんとぃえ
しぇも…きあわえて…」
大「なんでやねん、別に俺嫌われてもええもん。
神ちゃんに嫌われなかったらそれでええもん」
とりあえず、神ちゃんの手を取って保健室に行って先生に手当てしてもらったけど
傷が治るまでは痛いから補聴器もつけられへんらしい
何回、こんな思いしてきたんやろな
大「まだ痛い?」
神「うん…ぇも…なぁあから」
大「こんなことに慣れたらあかんやろ!!
神ちゃんなんも悪いことしてへんのに、もっと自分のこと大切にしないとあかんで?」
ちょっと怒る俺に、クスッと笑う神ちゃん
神「ぁんぇ…しぇ、おぇのこといっしょ…えんめいなん」
大「そりゃ、一生懸命なるやろ!友達なんやから!」
神ちゃんはきっとずっと、そうやって生きてきたんやろな
人のことを思って行動する、そんな簡単なことができない人たちに傷つけられて心が痛くなる。
大「神ちゃん、友達っていいやろ?」
前に言ってた、聞こえる子とは友達になったことがないって
神「ぉん…さぁいこうや」
やから、聞こえる友達第一号になれた俺は
神ちゃんとはずっとずっと友達でいたいねん。
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作者名:時生 | 作成日時:2023年4月18日 0時