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照史side
慌てて向かった学校で、望が急に力が入らなくて立てなくなってしまったことを聞いた
望は悔しそうな顔したまま黙ってて、相当ショックやってんなって分かった
急いで望を担いで病院に行った。
色々検査したあと、病院の先生の渋い顔で
なんとなく察してしまうくらい病気が進行したことを伝えられた。
そして、今後は転校を考え直したり杖使ったりトイレの方法も考えた方がいいと
「今まで1人でできていたことは、難しくなります。家でよく話し合ってください」
病院の人に杖のパンフレットを渡された俺を見た望が
それまで感情を失ったように話を聞いてたのに口を開いた
望「っ…嫌……」
照「望…」
望「嫌やっ…全部嫌やっ……」
ボロボロと涙をこぼしながらそう繰り返す望のことを抱きしめて家に帰る車に乗せて家に帰った
もう足の力が弱くて、望1人では立たれへん
照「悔しいな…」
いつかこんな日が来ることはわかってて、それでも来なければいいって願ってた
そうやって望もここまで頑張ってきた
やから、悔しさは精一杯受け止めたる
それでも、前に進まなあかん。
望「使いたくないっ…そんなん…」
照「兄ちゃんにできることは、ないかもしれん。
でも、望が助けてっていうたら絶対助けに行ったる」
望「なら…使わなくてええやん」
照「でも、万が一の時のために使おう?
もう、悔しい思いせんように。転んだら怪我もしてまう」
望「なんでや…俺っ…障害者になりたないっ……」
照「望、兄ちゃんやって悔しいんやで…でもな?」
望「…もういい、なんもわかってへん。
なんもわかってくれへん兄ちゃんと話してても意味ない」
照「あーもうわかった、勝手にせい!」
俺の思いは、反抗期真っ盛りの望の耳には入らんくて
突き放した俺も、ちょっと大人気なかったな。
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作者名:時生 | 作成日時:2023年4月18日 0時