虹がかかる空に＊6＊ (ページ28)

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智洋side

コンサート中盤、流星と2人でリフターから降りようとした時

突然、視界から流星が消えた。

神「流星っ！！」

危ないと思ったのも一瞬で、突然脱力した流星の体はそのままステージに叩きつけられ

ステージから落ちる一歩手前で、体ごと捕まえた

全部がスローモーションみたいに見える。

慣れてもない、ステージで発作が起きるのは初めてで頭は混乱してたけど身体は動いてて

幸いはけるタイミングだから、お客さんには見えてない

そのまま流星を抱き抱えたままステージを降りる

神「流星発作起きました！」

流「んっ…んっ……」

「わかりました、メンバーに伝えます」

とりあえず横に寝かせてちょっと痙攣しながらバタバタする流星の安全を見守りながら10分

ぼんやりながらも発作はほぼ治って、流星の目が開いた

スタッフさんに、俺もしばらく抜けてしまうことだけを伝えたらメンバーが即座に歌割りを変わって歌ってくれてて

流星を置いて俺だけステージに戻ることなんて、どうしてもできなかった。

流「神…ちゃん…コンサート…」

神「うん、今やってるよ」

流「俺、戻らないと……」

神「流星、ちょっとお休みしよ」

まだぼんやりしてる流星に合わせて慌てずゆっくり話してるつもりやけど

流星の目から大粒の涙が溢れて来て、こっちも慌てる

流「コンサートっ……頑張るって…約束したのに…」

神「流星、一生懸命頑張ったやん」

流「俺…戻らな…」

神「まだ無理やって」

立ちあがろうとする流星を手で抑えると、またボロボロ泣き出す

神「まだあかん、ぼんやりするやろ？」

流「ごめん…頑張れなくて…こんなんで…ごめん」

神「そんなことない、よく頑張ったよ」

流「っ悔しいなぁ…悔しい……」

流星がコンサートにかける思いは、他の仕事とは段違い

寝る間も惜しんでコンサート関係の仕事して来たことも、唯一ファンに会える場やって大切にしてるのも知ってるから

こんなオーラスで発作とか

神「俺も、俺も悔しいよ」

今の俺が、流星にかけてあげられる言葉って

多分もうこんなんしかない。