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流星side
智「綺麗やなぁ…」
今日の旅の最後に、京都の街を一望できる絶景スポットに来た。
時間は夕暮れで、この時間のこの場所が1番綺麗やって調べた通り
俺も見惚れてしまうくらい綺麗な景色やった。
流「とも、ちょっとこっち向いて」
智「ん?」
流「写真、撮りたいから」
智「いや、俺はええって…それ、景色撮るのに買ってんやろ?」
流「いいやん、俺が撮りたいねん」
首から下げた大きなカメラは、少し高かったけどこの旅行のために買った
ともとこうやって写真を撮れるのも、あとどれくらいだろう
そんなことを思ってることも、ともに知られたくなくて
景色の写真を撮りながら車椅子のともの前で、パッとカメラを構える
智「もぅ…綺麗に撮ってや?」
覗いたファインダーの中のともが笑ってこっちを向く
流「っ……」
綺麗な夕暮れの中、笑ってるともの笑顔がキラキラしてて
この景色をずっと見ていたくて、シャッターが押せない。
消えてしまいそうなこの景色を、ずっとずっと忘れたくない
智「流星、どしたん…」
グッと堪えた涙が、ポロッと落ちてともに気づかれんように拭う
流「ごめん撮るよ!」
もう一度覗いたファインダーの中のともは、すごく笑顔で
あぁ、こうやって大好きなともが笑ってくれてるだけでいい
ただそれだけでいいから、もう少し一緒にいたい
そうやって願ってしまう俺は、欲張りなんかな。
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作者名:時生 | 作成日時:2023年4月18日 0時