1きっと愛だ(兄組) ページ5
崇裕side
ピーッ、ピーッ！
ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ！
深夜2時、隣の部屋から聞こえる断続的な機械音。
どれだけ深い眠りに落ちていても、この音だけには反応して飛び起きる
慌てて飛び起きて暗い廊下を走って隣の部屋のドアを開けると、青白い顔をして苦しそうに息をしている淳太
口をパクパクさせて息してるけど、全然吸えてないっぽい
淳「っはぁ…っはぁはぁはぁっ…たか…っひろっ………」
小さい頃から酸素がうまく取り込めない肺の病気の淳太は、在宅酸素の機械を持ち帰って一昨日退院したばかり
呼吸することで精一杯、苦しくてベッドに寝たきりで殆どの栄養は点滴で取ってたからだいぶ痩せた。
この音は、酸素が口から外れてるか、もしくは上手く取り込めてないことを機械が教えてくれてるアラーム
兄弟の俺はこのアラーム何年も聞いてるから、音が聞こえた瞬間にドキドキが止まらん。
崇「淳太、苦しいなぁ…落ち着いて息してな？俺ここおるから、頭あげるよ？」
声かけながら手を握って
淳太の顔から酸素マスクは外れてないし、2Lで流してる量も間違えてないのを確認する
要するに、酸素が上手く体に取り込めてない。
この前入院した時も、こんな感じで酸素が取り込めなくなって
結局これ以上は酸素の量は増やせないって言われて、酸素を持ち帰ったまま退院
淳太の前では冷静を装おうと思っても夜中の働かない頭のせいなんか、めっちゃ焦る。
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作者名：時生
| 作成日時：2022年8月21日 1時
