虹がかかる空に＊4＊ (ページ30)

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智洋side

今日、おとんが学校呼び出されていつもより遅く帰ってきた

崇「智洋、ただいま！あーお腹すいた！」

智「学校呼び出されたんやないの？」

崇「そやで、おとんあの先生と会うのもう10回目やで？もう、友達ちゃうねんから！」

学校にどれだけ呼び出されても、おとんは俺を怒らない

いつもと変わらず、笑ってる

智「ずっと思っててんけどさ…」

崇「おぅ、なんや？」

智「怒らんの？俺のこと」

崇「智洋がほんまに悪いことしたら怒るけど、別に怒るようなことやないしなぁ…人に迷惑かけてないし。
まぁ、髪染めたりピアス開けたり…おとんにはよう分からんけど興味あることやってんねんからいいんちゃう？」

聞いてみても、そんな答えしか返ってこなくてほんま意味わからん

まぁ、昔から変わってるなとは思ってたけど

普通親なら、先生に怒られたら自分の子供も怒るやろ

やっぱり、おとんが目見えてないから普通の家とは違うんかな。

崇「あ、そうや！先生に聞いたけど、来週の体育祭行くな？」

智「来んでええって」

崇「去年仕事で行かれへんかったから今年こそって思っててん！」

智「だから、来んなって」

崇「智洋足早かったやろ？リレーとかも出るん？
ほら、小学校で仲良かった子にも久しぶりに会いたいし！」

智「やから、来んなって！！」

俺の大声で、話し続けてたおとんの声がぴたりと止まる

智「おとん、来ても見えへんやん。俺のこと分からんやん」

静かな部屋の中、俺の声だけが響く

言い終わってから、勢いでおとんに酷いこと言ったって分かってるのに

意地でもう戻ることもできなくてぎゅっと唇を噛む。

崇「そうやな…ごめん。おとん勝手に盛り上がっちゃって、体育祭頑張ってな？」

おとんの寂しそうな悲しそうな声

おとんがどんな顔してるか、見られない。