虹がかかる空に＊4＊ (ページ28)

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大毅side

大学構内では、筆談でなんとか会話してきたけど

筆談ができない今、流星とキャンパス行ったら車椅子でただでさえ目立つのに

会話の通訳全部が流星の役割になってしまう

　

そんな目立つこと、流星にさせたくない。

大『いいって、言うてるやん』

流『あー、もうめんどくさ！
俺がやりたいんやからええやろ！』

大『なんでそんな勝手なん？
俺の話聞けや！』

流『そっちやって、全然聞いてへんやん！』

大『俺は何にも聞こえてへんもん！』

流『今そんな話してないやろ！』

で結局、喧嘩すんねん(笑)

喧嘩しながら大学着いてしまって、校門前でまた喧嘩

流星が誰かに気付いて手を振って、パッと走ってきたのが俺の大学での手話のサポート役の桐山くん

結局めっちゃ目立ってるやん、桐山くん俺の車椅子に驚いてるし

照『あぁ、派手にやったな？』

流『ぼーっと歩いてるからこんなんになって』

大『お前に言われたない！』

照『ずっと見てたけどまた喧嘩してんのか？』

大『こいつ、うるさいんですよ！』

流『はぁ！？
俺は声出してないから静かやって言うたの誰や！』

照『もう、わかったわかった！
もう喧嘩するなって』

聞こえる人にとっては手話の喧嘩は静かかも知れないけど

俺の中ではめっちゃうるさいねん、流星(笑)

照『よかったな、流星に来てもらえて』

大『まぁ…ええって俺は散々言うたけどな』

流『ちょっとは感謝せいよ！！』

大『ありがとう、迷惑かけてごめん』

今の手話が絶対見えてたはずなのに、見えてないみたいに続ける流星

流『じゃあ、俺学校行くから』

流星の言葉に食いつくこともなく、ありがとうって伝えたら言い返してこいやって顔する流星

見えてないフリは流星なりの優しさで

ほんまは、心配してくれてんのわかるよ

流星に思いっきり言い返されると、俺のこと思ってくれてる人が1人でもおるんやなって

俺はこの世界でひとりぼっちじゃないなって思う

俺と喧嘩してくれてありがとう

手話での喧嘩、静かやけど激しくて、俺結構好きやねん。