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流星side
本音は言わないしめっちゃ強がるけど、ほんまはすごい落ち込んでるんやなって顔見たらわかるよ
一応、弟やからな。
手捻挫してるし、手話は最悪できても筆談はしばらく無理かもな…大毅1人では車椅子が漕げないし
しばらくは車椅子貸してくれるらしいけど、大学行くんと通院、どうしよかな。
大『ごめん』
流『何が?』
大『ちょっと、言いすぎた』
流『俺も…ごめん』
喧嘩した後、だいたい向こうから謝られて伝わってくる大毅の落ち込み
筆談できないと、手話ができない人とは話せない
この世界の、ほとんどの人と話せない
音のない世界で生きてきた大毅にとって、普段の生活が今より確実に大変になる。
流『俺、明日から大学一緒に行こうか?』
大『え…いや、ええって』
流『行きと帰りだけ』
大『ええって、しばらく休む』
流『4年で卒業するんやなかったん?』
大『そうやけど…お前学校どうすんねん』
流『俺が学校行く前に一緒に家出ればいいかなって、どうせ途中やし』
大『ええって』
結局、家に着くまで大毅はそんなことしなくていいの一点張りで納得はしなかった
でも、頑張って大学入ったの知ってるから4年で卒業したいって言ってたの叶えたいのにな
大『ごめん、俺やっぱり…』
流『もう謝らんでいいから』
大『流星にそんなことさせたくない』
俺、やっぱりお節介なんかな。
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作者名:時生 | 作成日時:2022年8月21日 1時