虹がかかる空に＊4＊ (ページ38)

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1 ずっと特別だった(しげじゅん) ページ38

大毅side

大「はぁーっ…はぁーっ……」

混み合う病院の待合室で椅子に座ってるはずなのに、長距離走った後みたいな息切れと動悸

苦しくてついつい下を向いてしまうし、ガタガタ震えてしまうくらい寒くてできたら横になりたい

「大毅くん、大丈夫？横になる？」

大「あっ…いやだいじょ…ぶです…はぁ…はぁ…」

「先生にはもう連絡したから、5分くらいで来ると思うから処置室で横になって待ってよう？」

顔を上げなくても声でわかる、駆け寄ってきてくれたのはいつもの看護師さんや

小さい頃、白血病と診断されてから良くなったり悪くなったりを繰り返してずっと入退院してて

やっと高校に通えるようになれたのは、18歳になってから。

それでも通信の高校やから週3日くらいの登校で、頑張って通学してたけど

遂に今日教室で動けなくなって、学校の先生にいつもの病院に連れて来られた

「大毅くん、立てる？」

大「だいじょうぶですっ…立てますっ……いらないですっ…」

「危ないっ！やっぱり車椅子乗ろう？」

手を貸そうとしてくれた看護師さんの手を払ったけど

立とうと頭を上げたらクラッと目眩がして立たれへんくて

ぼーっとした頭のまま車椅子乗せられて処置室のベッドに寝かされて熱測られた

淳「2日前から微熱やったんやって？」

「先生、今38.6度です」

シャッと勢い良く開いたカーテンから、担当医の先生の顔が見えてまたテンションが下がる

どんだけ熱でぼーっとしてても淳太の顔だけはハッキリ見えるわ

大「あ…淳太…」

淳「熱出たら早く来てって言うたけど？自業自得やんな？」

大「っ…学校…文化祭っあんねんって…」

淳「だからなんや、俺も忙しいんやけど」

俺の顔見るなり、もうキレまくってる鬼のような淳太

高校に入ってすぐ、仲良くなった神ちゃんとバンドやろうって盛り上がってやっと明後日やって時に

なんで結局こうなんねん、最悪や。