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(紫耀side)




日勤が終わって、廉の所に行くと前よりも少しだけ元気になった廉がいた




看護師さんからも、今日からご飯開始になったと聞かされて





ICU卒業の日も近いかなと思ってる。






廉「なぁ、紫耀」

紫「なに?」

廉「学校…辞めるわ」





唐突に、なんでもないようにそう言った廉の目は




天井の、ただ一点だけを見つめていた。







紫「決めたんやな……」

廉「そもそも学校に辞めてくれって言われてんねやから、ええやろ」

紫「まぁ、そうやけど…」

廉「先生に言われた学校、行ってみるわ」

紫「分かった」

廉「学校に、そう言っといて」

紫「………廉?」

廉「何?」

紫「無理してない?」






そう言うと、いつもの仏頂面が少し緩んだ






廉「そうせな……生きていけへんやろ」







廉が何を思って決断したのかは分からない






でも、生きたいように生きられない辛さが確かにある。







でも、廉はいつも逃げなかった。






紫「新しい学校でも、友達出来るといいね!」

廉「小学生みたいなこと言うなや」

紫「廉の選んだ道、俺は応援してる」






そう言うと、廉は寝る向きを変えてそっぽを向いた。







廉「ごめん、無理言って入った高校やったのに」

紫「ホントだよ〜!



………なんてな?


悔しいな……」







小学生の時も中学生の時も、まともに学校に通えたのは1学年のうち半分。





こんな性格だから友達もできなくて、いつも1人。





病気持ちだってことを知った廉の友達は、突然倒れたりするのが怖いって






自然と離れていった。







普通なら普通にできることを、廉には経験させてあげられなくて





いつも悔しい思いをしてきた。






廉「別に………」





向こうを向いたまま、静かに涙を流す廉を





後ろからそっと抱きしめた。

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たま - 続き楽しみにしています(^^) (2018年9月21日 23時) (レス) id: b6be2379b4 (このIDを非表示/違反報告)
綾瀬連(プロフ) - 涙腺崩壊しました。 (2018年9月17日 21時) (レス) id: b09e7b2b30 (このIDを非表示/違反報告)
奈ちゃん - とても読みやすかった (2018年8月8日 0時) (レス) id: 15aa1ef4b9 (このIDを非表示/違反報告)
まなか - 毎回楽しみに読ませていただいています。三兄弟の関係性がとっても好きです。続きを楽しみにしています。 (2018年8月2日 1時) (レス) id: b97bd57054 (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - 丁寧に書かれており、とても読み応えのあるお話で、毎回更新を楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2018年7月25日 7時) (レス) id: 6d17b4bef7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時生 | 作成日時:2018年7月9日 0時

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