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「わー…!」
見晴らしのいいとこに車を停めて、私たちはしばらく山から見える街の明かりを見つめていた。
「すごいね、誰かとここ来たの?」
「りょうに教えてもらった。」
「へーさすがりょうくん。」
その後も他愛ない話を30分程続けた。
小学校の裏の林の虫の話とか、近所に住んでた犬の話とか。
他の誰かならどうでもいいと思える話でも、すごく新鮮でおもしろかった。
「ね、あかね」
「なに?」
としみつが小学校の頃にやらかして怒られた笑い話のあと、急に真剣なトーンで私をみつめた。
息をする空気の動きすら伝わるくらい、シンとした車内でとしみつはただ私だけを見つめてくれていた。
「俺と付き合ってくれて、ありがとう。これからもよろしく」
「こちらこそ、私と付き合ってくれてありがとう」
そしてどちらからともなく顔を近づけ唇が触れた。
瞬間。
「どうも〜!カーセッ○スを探せ、のお時間です!」
いきなりざわくんが後部座席の扉を開けて飛び込んできた。
「何やってんの、としくん」
「どうですか、今のお気持ちは」
出っ歯くんりょうくんも続いて入ってくる。
「は?え?」
状況を把握できてないとしみつが慌てる中最後にてつやも乗り込んでギュウギュウの扉をしめた。
「カーセッ○スを探せの動画のとしみつ編でした!じゃあとしみつが怒んないうちに退散!バイバイ!」
そして言うだけ言うと4人は蜘蛛の子を散らすように車から飛び出して逃げていった。
「え?なに?わけわからん!」
未だ状況を把握できてないとしみつをみて私は笑ってしまった。
これからも彼らと、そして何よりとしみつと一緒に楽しいことを続けていける。
楽しいものを作り出せる。
「帰ろっか。」
笑って言うととしみつは腑に落ちない顔でうん、と頷いた。
それからの車内は行きと違ってずっと静かだったけどとても心地いい空間だった。
「ね、としみつ」
「なに?」
部屋について靴を脱ぐ彼に声をかける。
「だいすき」
私の言葉を聞くと、彼は優しく笑って一歩近づいた。
「当たり前。」
そう言って頬に大きな手を寄せて、唇に優しくキスをした。
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ミキ(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。初めてなので拙いところたくさんあると思いますし更新頻度もまちまちかと思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年8月10日 8時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 初コメ失礼します。としみつさん好きなので、こうして新しく作品が生まれることを嬉しく思います( ´艸`)ミキさんがテンポよく更新してくださるので、毎日この作品を読むことを楽しみに過ごしてます…元気の源です( ´ω` )続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年8月10日 3時) (レス) id: f85b939213 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - んさん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。これからもよろしくお願いします。 (2017年8月7日 13時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
ん - 頑張ってください! (2017年8月4日 9時) (レス) id: b16c47b63c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミキ | 作成日時:2017年7月29日 21時