【MASHLE】マッシュと兄【男主】

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「ごめんなさい、兄ちゃんごめんなさいｯ」



親に叱られた子供のような小さな声に胸が痛む。

俺の足を止めるように、ローブの裾を引っ張るマッシュ。



『...離せ。



もうマッシュとは口聞かないから。』



マッシュの顔を見ることが出来なかった。

歪めた顔を見てしまえば、無条件に甘やかしてしまいそうだからだ。







もう、ここは今までいた平穏な山奥なんかじゃない。

責任が問われる魔法学校

魔法不全者であるマッシュは、もっと慎重に行動しなければならない。




可愛い子には旅をさせよ、なんてよく言ったものだ。

愛ゆえの表現だと分かってくれマッシュ。







俺は、マッシュの手を振り払い歩みを進めた。




俺が離れている間に、友達とかいっぱい作って

当たり前にある幸せを沢山経験するんだ、マッシュ＿＿＿＿＿



















＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿



｢弟君と喧嘩しちゃったの？｣


白々しい態度で接してくるキャベルを睨みつける。
ほうきを使った授業だというのに、手ぶらとは相変わらず喰えない奴だ。
ほうきぐらい持ったら、魔法学生としてもっと様になるんじゃないか？



『...関係ないだろ』


｢でも、弟君と一緒じゃないとか珍しいね｣



キャベルは、離れた場所にいるマッシュと俺を交互に見ると
愉快そうに笑った。




｢この怪我も弟君につけられたのかい？｣

首に貼ってあるガーゼを触られそうになり、思わず手を叩く。


『ッ関係ないって言ってるだろ』


｢へぇ、図星だ｣


いちいち挑発してくる態度に苛立ちが募っていく。

いかん、このままでは彼の思うつぼだ。


俺はさっさと離れようとキャベルに背を向けた。










｢でも、気に食わないね｣



馴染みのある彼の魔法が、俺の足を地面と固定する。

1歩も動かない足に、舌打ちをした。




｢僕はもっと、面白いものが見たい



君たちは僕の新しい玩具だからね｣



キャベルは杖を俺に向けると
周りは怯えたように離れていった。




｢忘れてない?


僕はその気になればいつでも君たちを退学させられるんだ。｣

『...』




目に見える主従関係が、怒りを助長する。


『弟に手を出すな』


俺だけの退学なら1発殴りもできたが

弟を天秤にかけられたらどうしよもない。



｢じゃあ、今ここで僕にキスしてよ｣







どうしよう、退学した方がマシかもしれない

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