好きの勇気 (ページ9)

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story.8 ページ9

コビーside

空も暗くなってきたので船へと戻る僕ら。

『少しだけ寄り道してから船へ戻るわ。先に行っててくれる？』

コ｢分かりました。暗いので気をつけてくださいね。｣

僕がそう言うと彼女は別の道を歩いて行った。

へ｢コビー。お前ついて行ってやれよ｣

コ｢ええ！？大事な用事だったら申し訳ないじゃないですか｣

へ｢でも外暗いしよ、いい人ばっかって言ってたけどあの人だって女なんだぜ？｣

ヘルメッポさんの言う通りだ。正直すごく心配で今からでも走って追いかけたい。

コ｢でも勝手について行っていいんだろうか…｣

へ｢なんか言われたら心配だったからって言えばいいだろ。追い返されたら戻ってくればいい｣

コ｢それもそうですね…では、僕は少しだけ様子を見てくるのでヘルメッポさんは先に戻って明日の予定の相談をお願いします！｣

へ｢おう！任せておけ｣

A大佐を見失う前に早く追いかけなければならない。
彼女が向かったであろう先をめざして道を走る。
少し進んだ先には海へと続く道。

桜の道を通り抜け海辺へ出ると大きな岩の上に座るA大佐を見つけた。

コ｢ A 大佐！｣

僕が大きな声で呼んだからか少し驚いたような顔をした後目を細めて笑う彼女

『コビー大佐なら来る気がしたの。ちょっとこっちに来てくれる？』

そう言いながら自分の隣を手でポンポンと叩く
ここに座れということだろうか？
大きいとはいえ座れる面積が少ないので少し寄るとお互いの肩が触れるくらいに近い。

僕が隣へ座ると彼女は空を見上げながら少しずつ話し始めた

『この2ヶ月。夜になるといつもここに来ていたの。波の音を聞きながら綺麗な星と月を見ているとなんだか落ち着くの』

彼女のように僕も空を見上げると今にも降ってきそうな程に輝く星々が見えた

コ｢綺麗です………｣

『そうでしょう？あなたに見せられてよかった』

僕は横目で彼女を見る。星を見上げる横顔は整っていて、それは空に浮かぶ星に負けないくらい美しかった。

『コビー大佐。星じゃなくて私を見つめてどうするの』

手で口元を隠しながらふふっと笑う彼女
彼女に事実を言われて段々と顔が熱くなる

コ｢す、す、すいません！！そんなつもりじゃ……｣

『別にいいのよ。減るものじゃないから』

そう言うと彼女はまた空を見るのだった────。