Who are you？～夏の匂い～ (ページ26)

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義勝said ページ26

足は動かないまま、目はふたりの背中を追う。

まるでふたりを見送るかのように､､､

ようやくふたりが見えなくなって

やっとの思いで頭が動き出した。

ぼポケットからひびの入ったアイフォンをとりだして

トークアプリを開き、Aの名前を探す

トーク画面を開くと、朝の会話。

俺、この朝の短い会話でさえも喜んでたのに

俺だけだったのかな？舞い上がってたのは。

ほんとにバカみたい､､､

『なにしてんの？』

それだけ打って送信した。

”なにしてんの？”そんなそっけない言葉で

尾崎さんと離れろとか伝わるわけない

既読がつかないのは当たり前。

分かってるのにイライラして､､､

さっき出したばっかのタバコは

一口しか吸ってないのにもう短くなっていた

イライラと悲しみを少しでも和らげるために

新しいタバコを1本取り出し、吸い始める

そう言えば、昨日買ったばっかのタバコどこやった？

あ、そうか、Aの家に忘れたんだ。

できた。口実が。Aに会うための口実。

今日の夜、名古屋に向かう。

その前に、会いに行こう。

それで、全部聞こう。

重たい彼氏かなあ？

信じてない訳じゃない。不安なだけ

タバコの最後の一口を静かに吐き出して

スタジオに戻った。