Who are you？～夏の匂い～ (ページ13)

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帰り道。

この暗さといい風の冷たさといい

やっぱり夜は私の見方だった。

『おかえり』

そう言ってくれてるようで

小さな声で

『ただいま』って。

下北沢で結構有名な居酒屋の前

真っ暗なこの通りにぽつんと

光が灯ってて、

中からは楽しげな声やざわめき

居酒屋らしい音調が聞こえてくる

まだその居酒屋にはたどり着かないこの場所で

少し立ち止まりその様子を伺う

ヒューっと風が吹く

それと同時にガラガラっ

と開く居酒屋の扉

中から数人の大人が出てくる。

何人かの大人の中に

私は見覚えのある人を見つけた

ふわっとした韓国マッシュの髪型に

目が見えないほどに伸びた前髪

ゆらっと揺れるゆる着っぽい服装に

片手にはタバコ

私はその人のことを

じっと見つめて見る。

見れば見るほどあの人だ。

､､､

じーっと見すぎたのか

彼が振り向き見つめ返される

ハッとして我に帰り恥ずかしくなって下を向く

『尾崎世界観』

絶対そうだ。