義勝said ページ11
「なんで？」
その言葉と同時に
その場に泣き崩れ込む一人の女
さえり､､､。
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インディーズからメジャーデビューする時に
付き合い始めたさえり。
初め俺はさえりのこと好きじゃなくて、
でもさえりは綺麗で美人だから付き合って損は無い
そんな男として、人間として最低な思いと
これから好きになればいい
というような自分の偽思想を抱え
付き合ったさえり。
メジャーデビューしてからも付き合ってて
2年たつかたたないか
そんぐらいの頃
「一緒に住もう？」
って言われた。
その時、俺はまださえりのことが好きになれてなくて
努力はしたけど、好きになるのって
努力してなれるもんじゃない。
そう気づいた時には
怖くなって逃げていた。
アパートを出て新しくマンション借りて
ケータイも変えて番号もメールも
トークアプリのアカウントも
全部変えて逃げた。
きっと脳裏の奥の奥の奥には
インディーズのライブ始めたばっかで
箱にもお客さんが全然入ってくれなかった
あの頃から俺らのことを見ててくれた
Aのことが、ほんの少しだけでも
あったのかもしれない。
だから、さえりの事も好きになれなかった。
のかもしれない。
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泣き崩れたさえりを
どうにかして立ち上がらせようとするも
その場から一向に動こうとしない
もう動かないならしょうがないか。
ほんの少しだけめんどくさいって思って
俺ってクズだよな。
勝手に何も言わず
俺のことを愛してくれたさえりの前から
突然いなくなったくせに
謝罪の一言もなく、
『めんどくさい』って､､､
自分でも呆れるほどのクズだ。
自分がそこまで汚れてるって言うのが嫌で
さえりの横に座り込み背中をさする
Aの気持ちを考えもせずに､､､
ごめんさえり､､、
今はAが大切なんだ､､､。
さすった効果か、少し泣き止み
だんだんと落ち着いた様子になったさえりに
義「ちゃんと話す」
それだけ言うと
さえり「うん」
って頷いてやっと、立ち上がった
さえり「あそこのお店で話そ？」
義「わかった」
この状況と今の心境、心情を説明するには
Aの存在も必要
だからAも店に連れてこうと思って
振り向いたのはいいものの
そこにはもう
Aの姿は見当たらなかった
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作者名：まなか | 作成日時：2017年10月1日 23時
