Who are you？～夏の匂い～ (ページ15)

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2、30分はたったかな

別に寝てはいない。目を閉じてただけ。

考え事してたの。いろいろと。

ガラッ！っていう強い音で

驚きとともに目を開く。

きた。

しおり「おはよ～ん」

りの「うぇ～い」

続々と人が入ってくる。

みんな同じ時間の電車に乗ってきたんだろう。

いっせいに人が増えてガヤガヤが起る。

高校生っぽくていいと思う。

けど、私が嫌なのは

しおり「ねぇ、A金貸してくんね？」

りの「いや、うちら今日さ、B組の子達と合コンなんよね」

しおり「Aどうせ彼氏とかいないっしょ」

これ、何回目だろう。

貸してって言って今まで返してもらった覚えなんてない。

私だって一応バイトしてる。

学校帰り少しだけ、時給の高い高級寿司屋で

頑張ってる。

あなた達はバイトしてないでしょ？

ホントは頑張った人が貰えるお金をそんな気軽に

奪わないでほしい。

私からもう何かを取らないでほしい。

悔しいことに、この2人もKEYTALKが好きだ。

私がつけてたラバーバンド見て調べて

はじめは顔だけ見て好きになったらしい。

インディーズの頃の曲は多分今でも知らないんでしょ？

最近の曲しか聞いてないんでしょ？

いろんなものを取られすぎて、

今度は私の救いまで取ろうとしてるの？

私はそっとカバンの中から財布を取り出す。

無言で一万円札をさしだす。

しおり「あーりーがーと。」

怖い笑顔。

りの「よく出来ました。」

似てないヤマタクの真似。

もういやだ。