ＨＥＢＥ - exo - (ページ6)

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CY「おっ、懐かしい」

チャニョルオッパの視線を辿ると
テーブルの上のフルーツキャンディーの袋

『これ？』

袋を手に持ち、
チャニョルオッパに見せる

憶えてるの？

少し沈んでいた気持ちが
期待を含んで浮かんでくる

CY「うん、よく食べてたわー」

『私も毎日食べてるよ！....食べる？』

CY「おっ、いいの？」

そう言って袋に手を突っ込む

CY「俺、これ」

そう言ってチャニョルオッパが持っているのは

オレンジ味の飴

『えっ』

当たり前にいちご味を選ぶのだと思っていたから
なんだか拍子抜けしてしまった

CY「ん？どうした？」

『チャニョルオッパはいちご味を選ぶのかと思ってた』

CY「え？俺がいちご味？」

なんとも驚いた顔をしていているけれど
私の方がその顔はぴったりだと思う

『いちご味が一番好きだって前に言ってたから』

CY「うそー！いつ？」

『私が泣いたチャニョルオッパの引越しの日』

CY「泣いた日....そうだったっけ～？」

飴は憶えていても
私にあげた記憶はないみたいだった

・

まだ幼かった私がわんわん泣いたのを
何とかなだめようとチャニョルオッパが

「俺これが大好きなんだ」
そう言っていちごの飴をくれた

この記憶が私にしかなくて

このチクッていう胸の痛みは
初恋の痛みなのかなと思う

けれど、
思いのほか痛みは少ない

目を背けていたけれど、
初恋は実らずにもう終わってる
そんなことずっと分かっていたからだ

今日に始まったことじゃない

だけど、
ずっと認めたくなかった

子供の恋だと思い出にしたくなかった

今の自分の気持ちは
作り上げたものだと
思いたくなかった

自分は恋してるんだと
思っていたかった

いちご味が思い出させてくれる
チャニョルオッパを忘れたくなかった

だから、
嫌いなものを先に食べているだけだと頭を騙して
いちご味の飴を食べ続けていた

私はいつまで
いちご味に縛られていくのだろう