ＨＥＢＥ - exo - (ページ23)

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＊　おしまいページ23

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後から噂のカイのことをおばちゃんに聞けば

イケメンでその日ごとに夜を過ごす女性は違い
一度現れた女性の前には二度と現れないらしい

・

だからか、
彼は私の前にあれから現れない

私も人のことを言えないくらい
彼に溺れていたけど

実は余裕もあった

一夜限りの関係を完璧にこなす彼なのに
私には本名も教えてくれたし
服を忘れてしまうという失態も犯してる

この私がその完璧さを少し崩せたと思うだけで
頬が緩んでいく

・

エレベーターが5階の表示になり
扉が開く

いつも求めている姿は
今日も見れないけれど

『えっ』

今日は506号室のドアノブに
何かがある

紙袋だ

『ふふっ』

紙袋の中身を覗けば
いつだかに貸したベクの服だった

私には2度目があった

これだけで今は十分

3度目を期待して

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久しぶりに家に帰る途中
ふと１階からベランダを見上げれば
男物の服が揺れていた
こんな光景を見るまで
君への恋しさが募っていた自分に
気が付かなかった
もう君が幸せと感じるあの瞬間は
共有できないのだろうか

END

kai
『揺れる』