ＨＥＢＥ - exo - (ページ22)

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『ん、っ、』

久しぶりに感じる唇の感触
私の首元に触れる男性の指は熱くてたまらない

「好きだよっ」

離れた唇からは
もう久しく誰からももらえなかった言葉が

こんな会って数十分の人と
私は何をしてるんだろうか

でも、
この男性の独特の香りも
この罪悪感も
この甘いキスも

全部が私をズブズブと
どこかに沈ませていく感じがして

嫌じゃなかった

『私も、っ、つ、私もあなたがっ、好きっ』

「つ、カイっ」

耳元で聞こえたその名前に
何もかもが分かったような

でも、
何もかも考えられなくなるような

そんな不思議な感覚に
私はひたすら溺れていった

・

『...んっ....』

カーテンの隙間から零れる光で
目を覚ませば私はベットに寝ていた

『うわあっ』

でも、
決して夢ではない

ベットの下に落ちている服は
私のものだし

私の体に付けられた赤いしるしは
彼のものだった

『カイ？』

ただ、
名前を呼んでも

返事をしてくれる彼はいなかった

・

服を着て洗濯機を覗けば
彼の服が入っていた

本当に不思議な感覚

『カイ....あ、』

“ カイじゃないジョンイン、Aだけには教えてあげる。じゃあ、またね ”

かすかに残る
彼との記憶の断片

『ふふっ』

1人で笑っている自分が怖い

不倫？そんな風に呼べることを
したのかは分からない

でも、
やっとなんだか潤った気がする

ベクにも負けてないような気がして
本当に変な気分

・

洗濯機から彼の服を取り出せば
濡れていた

『あれ？乾燥モードにしたはずなのにな』

・

久しぶりに誰かの服がベランダで
揺れている

満たされていく

ただ、
私は彼のことを待っていてもいいのだろうか