ＨＥＢＥ - exo - (ページ13)

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6：30

一睡もできなかった

朝早く目が覚めた俺は
昨日のAのことを
1人で悶々とする時間が長い

起きたAはどんな顔で
俺を見てくれるのか

昨日をきっかけに俺の気持ちを
受け入れてくれるなんて
うまい話はあるのだろうか

・

午前中は基本寝て過ごすであろう
家ではぐーたら女子のA

仕方なくリビングで過ごしていれば

母さんの話でまたも
Aについて考えてしまう

母「お兄ちゃんがせっかく帰ってきたのにあの子ったらいつまでも寝てっ」

XM「母さん、良いんだよ。Aも忙しんでしょう？」

理解ある兄

そんなことない

私欲を言えば

本当はAに
早く起きてほしい

早くもっと話したい
早くもっと触れたい

まだ起きないのかな

母「Aが忙しいって？大学3年生にもなるのに春休みだって言って毎日寝てばかりなのよっ」

母さんは分かっていない

何もしないそんなところが
かわいいんじゃないか

21歳にもなって
掃除は苦手で
スマホか寝ているかしないA

俺と真逆といえばそうだ

だけど、
だからこそ俺が
何でもしてあげたくなる

・

部屋に帰るふりをして
こっそりリビングを抜ける

まだ起きないのかなと

Aの部屋のドアの前で
耳を澄ませていれば

聞こえてくる唸り声

『う....んん....ミンソクオッパ....』

“ ガチャッ ”

気持ちよりも行動が先に出た

XM「Aっ！どうしたの？」

『っ..ん？...オッパ...？』

まだ起きたばかりで眠たくて
寝ぼけてる

そんな様子

XM「どうした...？オッパのこと呼んでたみたいだけど」

『....呼んでないよ...、呼ぶわけないじゃんっ』

なんだか強がってみえてかわいい

もしかして無意識に
寝言で俺のことを？

ああ、嬉しい

本当に昨日から
気持ちが振り回されてばかり

でも、
それが心地いいんだから
俺も相当だ、ははは

・

XM「ねえ、A～、まだ起きないの？早く起きてよ～」

浮かれた気持ちが漏れていくように
そう俺が言ったときには

また夢の世界に行っていた