＊ ページ13
LY「実は、僕、人を殺したことがあるんだ....」
その一言は
私の頭の中を
真っ白にするには十分だった
A「えっ？」
LY「ふふっ。驚いたぁ？とっておきの秘密だって言ったでしょう？」
これは本当にとっておきだな
私がこの話の先を
受け入れてしまったのは、
きっと、
“EXOのレイが人殺し？”
“なに言ってんの？”
という思いよりも
“この男ならやるかもしれない”
“このゾクゾクをもっと感じたい”
そう思ってしまったからだと思う
本当の愛は
“罪の共有”という
昔に読んだ本の
ヒロインの言葉が
脳裏をよぎる
人殺しは犯罪だ
とっておきの秘密、
その秘密を聞いた私は....
きっとこの先
これから知るこの男の秘密を
私が公言することはないだろう
怖くて公言できないんではない
私だけが知っている
この男の秘密を
この男の罪を
誰にも取られてたくないから
この男を世間から守りたいから
きっとそんな感じ
もう私は
この男と罪の共有を
してしまったのだろうか
LY「僕は....Aという人を殺したんだ」
A「っ、」
LY「あ、安心してもいいよ？僕が殺したのは、Aの“心”だから、ふふっ」
なんとも穏やかな顔で
そう言うが、
聴いた私が
安心なんてできるはずがない
心を殺した？
よく分からない
心を殺すことは
犯罪なのだろうか？
ゾワッという
そんな感じが
私の体を駆け巡る
私はそのまま
黙って聞くだけ
読めないこの男が怖くて
何も言えなかったと言う方が
正しいかもしれないけれど
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作者名：あー | 作成日時：2017年2月8日 0時
