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第二種目は実質、緑谷君の1000万ポイントハチマキの奪い合いになっていた。その中で漁夫の利を狙うチームがあったりといった様子だ。
爆豪君はアクロバティックに緑谷君のハチマキを奪取しようとしたが、隙を突かれてB組の物間君に自分のハチマキを奪われてしまったようだ。とても見応えのある試合展開で私は少し高揚していた。爆豪君が奪われたまま放っておくわけがない、絶対にやり返すだろうと信じているから、その場面に期待が高まっていく。
会話内容は不明だが、大方物間君に何か言われてそれが煽りだったのだろう、爆豪君が並々ならぬオーラを放っている様に見えた。ただ爆豪君は物間君の個性に対してやりづらそうにしていた。個人戦ならまだしも、触れた人の個性を数分間数種類使えるとなると、初見でチームごと対応するのは難しいだろう。それからまた物間君が爆豪君に何か言った後、明らかに爆豪君の目付きが変わった。
ぞくり、と好奇と興奮で自分の背筋が震えるのを感じた。経営科としては色々なチームを見なければいけないのに、彼から目が離せない。
待てと制止する切島君を無視してまた自身の爆破で舞う爆豪君は、そのまま純粋なパワーで空中の防御壁の様なものを砕いた。ハチマキを2本獲得し、瀬呂君に回収されていた。良いチームワークに感嘆の声が出る。しかしそれで満足はしていないであろう爆豪君は、それぞれの個性を上手く活かして物間君チームを追撃し、容赦無くハチマキを奪還した。
1位への執念と徹底した姿勢は感心せざるを得ない。間髪入れずに次のターゲット、緑谷君に向かう姿はとても勇ましい。きっとああいうタイプが際限無く成長していき、いずれトップヒーローに成るのだろう。性格はさておき、彼の素質は今までの誰よりも輝いて見えた。
結果的に第二種目は2位の爆豪君チームだったが、十分優秀な成績だと思う。本人は悔しそうにしていたのでわざわざ余計なことは言わないが。
この後は1時間程昼食休憩を挟むので、観客席からも人は疎らに減っていった。全く運動はしていないが、忙しい精神でなんだかお腹が空いたような、胸はいっぱいのようなそんな感覚で席を立った。
午後の部に向けて興奮で口から物が出ないように軽く昼を済ませた私は、良い物を見たという明るい面持ちで生徒しか入ることのできない場所で時間を潰していた。ふと、人の気配を感じてつい物陰に身を潜めた。
「……バカにしてんのか」
爆豪君だった上にすぐ気付かれた。
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廿楽(プロフ) - むさん» コメントありがとうございます。お褒めいただけて嬉しいです！応援も大変励みになっております。頑張ります！ (2021年10月18日 1時) (
レス) @page21 id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
む(プロフ) - コメント失礼します、とても面白くて続きが待ち遠しいです！文章がとても好きです。これからも頑張ってください、応援しています！ (2021年10月17日 20時) (レス) @page4 id: e0a285cdcb (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - いくまさん» コメントありがとうございます。大変励みになります！文章の表現諸々を好みと言っていただけて嬉しい限りです。遅筆ではございますができる限り更新したいと思いますので、これからもどうかよろしくお願い致します。 (2021年9月21日 18時) (レス) id: d79b86d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
いくま(プロフ) - コメント失礼します。作者様の作品、全て読ませて頂いております。文章の書き方、構成、表現が全て私の好みに当てはまっており毎回の更新とても楽しみにしています。これからも更新諸々頑張って下さい。応援しています。 (2021年9月21日 11時) (レス) id: de9f3ec973 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2021年8月26日 4時
