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思い当たるかと問われたら、色々怪しくなってくる。彼は私が予期せぬ所で現れるし、何かと私のスケジュールを把握していた。
「っはぁぁ? 家の近所のカフェに居た? 偶然だって? んなわけあるか〜!」
「……だよねぇ」
たまたまだって言うけど、そこに私が行ったのだってたまたまだし。あのタイミングでどうして阿部さんが居たんだろうとか気にはなる。
スタジオとかならいくらでも仕事の関係だと言えるけど。
「けど、」
「なに? その人絶対やばいから。気をつけなよ」
「うーん」
アイドルの彼が、私のストーカーなんてするかなって疑問が浮かぶ。ストーカーって好意を持たれてるわけだよね? 彼が私に本気になる理由がまるで分からないし、あんなに忙しいのにストーキングする時間なんてないと思う。
かと言って絶対違うとも断言できないからモヤモヤしたままその日は解散した。
帰り際、「背後気をつけな!」なんて恐ろしいことを言う友達を少しばかり恨んだことは内緒だ。
.
「あ、Aちゃん、おはよう」
目の前から阿部さんがいつもの笑顔で手を振っていた。隣には番組スタッフと他のメンバー数人も居てこれからロケにでも行くのだろうか。
当たり障りなくペコッと会釈して通り過ぎようとした。
「……」
けれど出来なかった。
何故なら真横に伸びた阿部さんの手が私の二の腕をガシッと掴んだからだ。
「なっ、」と驚き声を上げそうになりながら本人を見れば、いつもならばあざとく首を傾げてニコッと笑うはずの彼がやけに真剣な顔をして私を見下ろしていたから驚いた。
「あ、の……」
「なんか避けてる?」
「え?」
……バレたか。
実は今日だけじゃない。阿部さんとはやっぱり深く関わるべきじゃないと思って、いつもより阿部さんを意識して数日行動を取った。
いつも気付いたら現れる阿部さんを先回りするのは意外と大変だったけど、上手く避けていたと思ってたのに。
「分かりやすいんだよなぁ。 俺の事見てたでしょ? なのに気付いたら居なくなるんだもん」
「いえいえ、気のせいですよ。お仕事してらっしゃるなって見掛けたことはありますけど」
「あー、なんかよそよそしくなってるぅ。せっかく仲良くなれたと思ってたのに傷付いちゃうな」
ちょっとちょっと! そんな事言っても大丈夫なのか? 周りの目が痛いんだけど!
手を離してもらおうとグイグイと引っ張ってみるけど、見た目によらず結構力があるみたいでビクともしない。
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ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます!刺さってくれて良かったです😆ちょっと独特なので大丈夫かなぁって思うとこもありますが楽しんでほしいですね😊多分終わる予定です!代理もですか!それはありがとうございます😌頑張ります😆 (2022年10月25日 7時) (レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは(*^^*)このお話が私の中で1番刺さってます!!好きすぎます!!!次で終わりなんですね(´;ω;`)代理の方もめちゃくちゃ楽しく読ませて頂いてるので、これからも楽しみにしています(*^_^*) (2022年10月24日 18時) (レス) @page50 id: b572eb741e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - Sionさん» ありがとうございます😊 気になってもらえるように終わらせました😌 移行まで暫くお待ちください! (2022年10月24日 17時) (レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
Sion(プロフ) - すごいドキドキでの移行!!続き楽しみです❤❤ (2022年10月24日 16時) (レス) @page50 id: 910c73b32d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - レリリさん» コメントありがとうございます!嬉しいです😆 ここから盛り上げていけたらいいなぁって思いで書いております😌 (2022年10月19日 9時) (レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2022年6月26日 10時