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急いだ結果、なんとか約束の夕方には持ち主の方に車をお返しすることができた。二人でお礼を言って、使わせてもらったガソリン代やらお礼もさせてもらう。またロケに来る時はよろしくお願いしますっと。
そして駅まで歩き、駅舎に入った時に阿部さんの予報通り雨がいきなりザーっと降り始めた。古い屋根にバシャバシャ当たる雨音が強くて度々ビクッとなる。
屋根の下から覗き見て「止みますかね？」と阿部さんに訊ねると、「ゲリラだと思うんだけど。これ結構ヤバいかもね」と顔を顰める。
「すみません、雨の影響で電車が遅れるそうです」と、駅員さんが教えてくれた。
私達しかいない駅舎のベンチ。時間だけが流れていった。
「食べますか？」
小腹が空いたから、さっきのお店でお婆さんから貰ったお饅頭を食べさせてもらうことにした。お土産にどうぞってくれるの優しいよね。田舎特有なのかな？ 結構袋の中はお土産でパンパンだった。
「ありがとう。ん〜、美味し」
「あ、お茶もありますよ。ペットボトル二本くれました」
「助かるぅ。良い人達だったねぇ」
「はい」
「良い仕事に繋がって、ここをロケする日が来たら是非俺達を推してね」
「阿部さんって仕事できますね。アイドル辞めてもなんとかなりそうです」
「……もしかして、俺がアイドルじゃなかったら恋に落ちる？」
「……………」
また余計なことを言ってしまった。
真っ直ぐな視線で見つめられてそう言われると帰す言葉が難しい。以前からアイドルじゃなくても付き合うことはないって断言していただろうけど、今は不思議と完全否定ができない自分が居たりする。
なんでだろう？ と、阿部さんを見上げたらお饅頭の食べカスがお口の横についてて、クスッと笑みが漏れた。
しっかりしているようで、たまに抜けてるというか。
「そんなもしもなんて有り得ないんですから考えたって意味ないです。それより餡子付いてますよ」
「え、どこどこ？ 取れた？」
「……ここ、です」
ハンカチで餡子を拭って取れたよとアピールすると、ふわっと嬉しそうに微笑んだ阿部さん。その笑顔はちょっとズルいんだ。
恋にまでは発展しなくても、彼をカッコイイなぁとは普通に思うから、あまりドキドキさせないでほしい。
「雨、止まないですね」
「だねぇ。電車どれくらい遅れるのか聞いてくるね」
そう言って駅員さんの元へ走って行った阿部さん。
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ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます！刺さってくれて良かったです😆ちょっと独特なので大丈夫かなぁって思うとこもありますが楽しんでほしいですね😊多分終わる予定です！代理もですか！それはありがとうございます😌頑張ります😆 (2022年10月25日 7時) (
レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは(*^^*)このお話が私の中で1番刺さってます！！好きすぎます！！！次で終わりなんですね(´；ω；｀)代理の方もめちゃくちゃ楽しく読ませて頂いてるので、これからも楽しみにしています(*^_^*) (2022年10月24日 18時) (レス) @page50 id: b572eb741e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - Sionさん» ありがとうございます😊 気になってもらえるように終わらせました😌 移行まで暫くお待ちください！ (2022年10月24日 17時) (レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
Sion(プロフ) - すごいドキドキでの移行！！続き楽しみです❤❤ (2022年10月24日 16時) (レス) @page50 id: 910c73b32d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - レリリさん» コメントありがとうございます！嬉しいです😆 ここから盛り上げていけたらいいなぁって思いで書いております😌 (2022年10月19日 9時) (レス) id: 61a2c67a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2022年6月26日 10時
