オレの兄貴がパパする話。【灰谷蘭】

パパ24% ページ24

「よぉ〜！灰谷ちゃん♡」


「お兄さん達はムショかぁ？」


『………』

うぜぇ。触んな。触っていいのはらんちゃんとりんどーだけなんだよ。

『……失せろ。』

「おいおい！“女”だからって俺ら容赦しねぇぞぉ？」

『………。』

ｺﾞﾝｯ……

「は、へ……？」

ほらぁ、しゃくに障るようなこと言うから。

『…消えろ、ゴミ。』

＿＿らんちゃんとりんどーがネンショーに行ってから3年が立とうとしていた。

5歳の時、一緒に過ごしていた家へ戻る。

ここ(六本木)だけが私の居場所だった。

ハサミを持って風呂場へ行った。

らんちゃんとりんどーのように金に染めた長い髪を切り落としていく。

『……なんで？女だから？女だから？なめられるの？』

六本木取られちゃったら、らんちゃん達笑顔じゃないじゃん…

会わせる顔ないよ…

『っ……あいたいよぉ…！！』

3年ぶりかな？

らんちゃんとりんどーが捕まった時以来の涙がボロボロと溢れていく。

不細工だろうな、そう思っても涙は留まることなく頬を伝っていき、切った髪を濡らしていく。

何者かも分からないAはぐずれ落ちた。

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