〃 ページ24
お互いが動き出したのは、目が一瞬で合った瞬間である。
―――全く隙が無い。
教えたのは―――、忌々しい事に自分ではないか。
鋭い突きをかわした後の、一瞬の相手の隙を見逃すな･･････だっけ。
それだけの腕がありながら、それだけの才がありながら、それだけの仲間に恵まれながら、それだけの友に恵まれながら――、彼は『孤独』であり続けようとするのか。
私は、いつか出会ったあの時の様に、剣城の頭上を飛び越えた。
しまった――と言わんばかりの顔で、剣城は私の背中を追うとした。
剣城が彼女の方を振り返った瞬間、銃声が響く。
剣城の頬すれすれに、弾が飛んできたのだ。
「剣城･･････」
「･･････」
松風は潤んだ目で微笑む。
「もう無理しなくていいよ」
その一言で、剣城は目を見開いた。
「･･････なんの事だ」
「剣城のお兄さんの事で、何か言われたんでしょ？」
「！？！」
剣城の目付きは、どんどん険しくなっていく。
「だから、なんだ･･････。だから！なんなんだよっ！！！」
剣城が声を荒げる。
「それがどうした！？お前には関係ないだろう！！関係のない赤の他人が、人の家の事情に首突っ込むんじゃねえ！！！」
「知ってるよ！！！解ってるよ！！！！！」
剣城は、松風の荒げた声に驚く。
一度も―――、一度たりとも――――、松風は声を荒げる事はしなかったからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シキシマ - とにかく、「この作品が大好きです！」という思いが伝わって良かったです。私の感想が少しでも作者様の力になれたこと、凄く嬉しいです。いや、嬉しすぎます。これからも、この作品の読者の一人として応援しています。長文失礼しました。 (2018年8月4日 9時) (
レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
シキシマ - まさか、こんなに喜んで貰えるなんて。しかも、ご丁寧に一話分もお返事を書いてくれて本当にありがとうございます。超感激しました(笑) (2018年8月4日 9時) (レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
シキシマ - 世界観やストーリーが面白いなんて言葉じゃ足りないくらい素敵ですし。しかもお話に出てくるキャラクターが多いのにもかかわらず、誰と誰が会話しているのかがパッと頭に浮かんで、感情の表現の仕方もすごく好きです。 (2018年7月27日 2時) (レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：†血染 架朱† | 作成日時：2017年3月12日 18時
