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『先輩･･･、あの三冠王将の方達だっているんですよ』
『だから何だって言うんだ･･････。その方達がいたとしても王に歯向かう事がどれほどの大罪か知っているだろう！！』
『―――知っています。いいえ、知っているからこそです』
倉間は静かに答えた。真っ直ぐな瞳の中に、俺が映っている。
――、今もあの時と同じように映っている。
どうして、そんなにも―――どうしてそんなにも真っ直ぐに進もうとできる――。
何がお前たちを動かすというんだ？
わかるだろう。理解できるだろう。どうして、あの巨大な力に対抗しようとする。
無謀じゃないか、あまりにも無謀じゃないか。
「逃げるな――、そう言ってくれたのはあなたじゃないですか」
速水の言葉が、頭の中で反響する。そして思わず、後ろを振り返る。
根拠がない。全くと言っていいほど根拠がないその自信はなんだ？
速水の真っ直ぐな言葉と倉間の鋭い視線に、思わず身震いする。
「あんたはいつまで逃げる気なんだ･･････ッ！」
速水と倉間が驚くほどの声で、浜野は南沢の背中に向かって叫んだ。
憧れた――。真っ直ぐで何処までも崩れる事ないその姿勢に―――。
浜野には、南沢の背中が頼りなく弱々しいものに見えた。
「あの時のあなたは何処に行ったんですかッッ！！」
背中で、南沢は痛々しいほど感じていた。
振り向けば、きっとあの目をしているに違いない。
まだ、あの時の、あの目のままなのだろうか―――？
だとすれば、俺は俺を貫かなければならない。
俺だって、それなりの覚悟はしていた。お前らが反乱軍側につくと――。
「死神様」
その声にはっとして、声のした方を振り返る。
「その者達をお引き渡し下さい」
いつ聞いても、国王軍の軍人は皆して冷たく無機質の様な声をしていると思う。
機械仕掛けの、従順なロボットのようだ。
「あなた様の言われた通り、処罰に関しては出来るだけ軽いものに致します。御心配には及びません。彼らに関しては、国王様も大目に見てくださるようです」
それなりの覚悟はしていた。
守るために、生き延びるために、明日の朝日を見るために、俺はあいつらより一つだけ年上だから。
―――どうしようもなく、可愛い後輩。
「･･････」
「いかがいたしましたか？死神様」
ああ、なんだ―――。
逃げていたのは、俺の方じゃないか―――。
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シキシマ - とにかく、「この作品が大好きです！」という思いが伝わって良かったです。私の感想が少しでも作者様の力になれたこと、凄く嬉しいです。いや、嬉しすぎます。これからも、この作品の読者の一人として応援しています。長文失礼しました。 (2018年8月4日 9時) (
レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
シキシマ - まさか、こんなに喜んで貰えるなんて。しかも、ご丁寧に一話分もお返事を書いてくれて本当にありがとうございます。超感激しました(笑) (2018年8月4日 9時) (レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
シキシマ - 世界観やストーリーが面白いなんて言葉じゃ足りないくらい素敵ですし。しかもお話に出てくるキャラクターが多いのにもかかわらず、誰と誰が会話しているのかがパッと頭に浮かんで、感情の表現の仕方もすごく好きです。 (2018年7月27日 2時) (レス) id: 407ab994ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：†血染 架朱† | 作成日時：2017年3月12日 18時
