妖－AYAKASHI EP.1 (ページ10)

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異変とAYAKASHIと。ページ10

とりあえず、必要そうな教科書を出来るだけカバンに詰め込んで急いで靴を履いて玄関を出た。

「遅いよ～A～…。珍しいね？昨日夜更かしでもした？」

あ、クマ…ちょっとできてる…。と羅菜が呟く。

『えへへ、ちょっと寝付かなかったんだよね…。』

「もぉ～…初日から夜更かしするんじゃありません！」

漫画なり読んでいたと解釈した羅菜はバシバシと私の肩を叩く。

…やっぱり外出ても変なの視える…っ！

浮いてる奴なんてわんさかといるし、なんなら人面犬みたいなのもいる。…こわっ。

満員電車でぎゅーぎゅーになりながらM高校に向かう。

「うるせぇっていってんだろ！？静かにさせろよ…っ！」

怒鳴り声がよく聞こえる。

赤ちゃんのギャーっという泣き声がその中年男性には鬱陶しく感じたようだ。

おいおい、相手は赤ちゃんだぞ？大目に見てやれよ…と思いその男性を視ると変なのが肩に乗ってた。

…なぁにあれ！！？？

赤色の肌をしたいかにも私、鬼です。とでもいいそうなくらい鬼の容姿に酷似している。

「…あの人可哀想だね。変なのに絡まれてる…。」

羅菜がこそこそっと耳打ちした。

『え、羅菜…あれ、赤いやつ視えない…？』

「え、何もないけど…どこ？？」

どうやら羅菜にはあれは視えてないみたい。

…まじかぁ…。私だけか！視えてるの！

『…いや、なんでもない。…疲れてるみたい。』

「…よく寝なよ…。」

バーンっ…！爆発音が鳴り響いた。

びっくりして急いで音がなった先の方向を見た。

すると、何事もなかったように周りの人達はスマホいじるなり眠っていたりしていた。

あんなに音がでかかったのに誰も気づいてないっ…？

…でも、ひとつ変わったことがあるとしたら先程の男性の肩に乗ってた鬼っぽいのは居なくなってる。
そして、何気な申し訳なさそうにその男性が赤ちゃんを背負ってる女性に謝っていた。

M高校の最寄り駅について、その男性もその駅で降りた。

「あれ…？可笑しいなぁ…？なんでイライラしてたんだろう…？」

と呟きながら電車から降りていたので、なんだこいつと思いながら私達も降りた。