春の終わり、夏の始まり。 ページ44
「おいひぃ〜!」
『ちょ、そんな急いで食べたら喉詰まるよ!?』
幸せそうに特大パフェを頬張る羅菜。
それをみた私はどんだけスイーツ好きなんだと思った。
「だって、美味しいんだもん!一杯どころか二杯目もいけちゃう!」
『もうやだこの子食欲半端ねぇ。』
「だいぶ甘党なんだね…僕は到底食べきれないな…あはは。」
森井は羅菜の食べっぷりに引きぎみだった。
あっそうだと今思い出したかのように森井は言った。
「ドリンクバーも頼んだしジュースでも取って来ようか?」
森井が気をつかって取りに行ってくれそうだが、頼むのも悪いので私が行こうかな。
『いや、私が取ってくるからちょっと待ってて!』
席を立って、ドリンクバーがあるほうへ向かった。
「きゃっ…!」
死角から出てきた人とぶつかってしまった。
『…!すみません、大丈夫ですか?』
その人は一瞬、私の顔をみて驚いたが直ぐ様無表情に戻った。
「…あぁ、大丈夫です!…そちらも大丈夫ですか?」
『大丈夫です!体は丈夫ですから!』
軽く会釈してその人は自身の席に、私はドリンクバーに向かった。
「…やっと、見つけた。…愛おしいA様♥️」
その人が小さく呟いた言葉にはその時の私は気付いていなかった。
「うふふ、必ず私だけのA様にしてあげますからね♥️」
動かなかった歯車にパーツが揃ったとでもいうように運命が動き始めた。
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作者名:アマミヤ | 作成日時:2023年8月18日 11時