力哉:オリジン ページ40
―力哉side幼少期
俺の姉は昔から妖が視えていた。
『ねぇね、さっきからなにおはなししてるの?』
小さい頃の俺は妖が視えていなかった。
…だから、いつも何にも居ないところで話しかけている姉が気になっていた。
「んー?お化けさんだよ〜?」
『ええ?!…おばけこわい!』
「大丈夫!皆優しいんだよ!力哉も皆のこと視れたら良いのになぁ。」
その時の姉は嬉しそうで悲しそうだった。
「でも、視えるようになっちゃったら力哉が危険な目にあっちゃう…お姉ちゃんが力哉を守ってあげるからね?」
『ありがとう!ねぇね!ぼくもねぇねみたいにおびけさんとおはなししたい!』
「…!叶うといいねぇ。」
きっと姉は俺が妖を視えるようになったら殺されてしまうかもしれないと思ったのだろうか。
それ以上その話をすることはなかった。
俺の姉はいつも家族思いで頼りのある姉だった。
早くに亡くした父親の代わりに一生懸命バイトをして生活を支えてくれていた。
…そして俺が高校生になる前に姉は失踪した。
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作者名:アマミヤ | 作成日時:2023年8月18日 11時