怪しい女 ページ37
「…少しも届いてないわよ。」
お返しにと鳩尾を殴られ、思わず吐きそうになった。
「何へましてんだ!!」
「…可哀想に。あんな暴君のような彼に振り回されているのね。…直ぐに楽にしてあげる。」
彼女の身体から大きく出てきた影のような者が私を喰らいついた。
喰われた瞬間、なんだか気が抜けてしまった感じがした。
…そのまま私はその場に座り込んでしまった。
倒さないと駄目なのに、…なんだろう。
やる気になれないというか…。
「…っ!クソ!…使い物になれねぇ!!」
ボンヤリとしている私を置いて、奥へ奥へと進む爆寨くん。
激しい爆発音と、抵抗しているのだろう音が交じっていた。
「…坊や、諦めな。一対一では勝てないことくらい理解しているだろう?」
「…っ、それでも俺は諦めねぇよ!!」
彼女は困ったような表情をした。
「面倒だ、君も戦意喪失してくれ。」
先程と同じような影が今度は爆寨くんを喰らった。
「…がっ…!?」
息苦しそうになっている爆寨くん。
…ごめん、助ける気力すら起こらないんだ。
喰らい終わったであろう爆寨くんは気絶をしていた。
「…別に命には異常ないから、後遺症とか気にしなくていい。…ただ、これ以上私に関わってこないで。」
怒った表情をした彼女はこの場から逃げられてしまった。
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作者名:アマミヤ | 作成日時:2023年8月18日 11時