【今日から...】 ページ8
(三橋side)
咲良。
あいつを最初、屋上で見た時、
目に違和感があった。
いや、形とかそういう物理的な意味ではなくてだな。
あいつの目は、“何か”に怯えているような気がした。
あと、...
過去に自 殺を試みた、と言う患者の目に酷似した何かがあった。
が。
さっきの様子...。
完全勘違いだったわこん畜生。
ほんの少しだけ心配してやったのによ。
生意気で、口うるさい。
｢めんどくさ...｣
1番めんどくさいわ。クソッ。
小声で呟きながら静かに弁当箱を開ける。
もはや恒例になってきたな。早弁。
そう思いつつふと前を向くと...
『ほあ...美味しそうなお弁当っ！』
いつの間にこっちを前を向いていた咲良。
目が光ってる。
さっきのは勘違いだったのか、と確信した。
｢...俺の、だからな｣
そう言いつつ、
『一つだけ！この唐揚げだけでもください！
付き合ってあげるから！』
｢ぶふっ！｣
口に入れていたもう1つの唐揚げを吹き出しそうになる。
こいつ簡単に彼氏と言う名を譲りすぎだろ。
...それと色々と失礼。
どうせ彼女なんていねーんだろ感。
『お願いしますｯ!!三橋様!』
頭が机に着きそうな勢いで頼み込んでくる。
｢...無理｣
そして咲良はその言葉を聞くとマジで涙目になった。
そしてまた1つため息をついて渋々OKを出すと、
再び笑顔になって指でつまんで唐揚げを頬張った。
『うっ...まぁ...！！』
...はぁ。
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作者名：アポロ | 作成日時：2019年10月30日 17時
