余命宣告。【今日から俺は!!】 (ページ20)

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【過去と今】ページ20

＿＿私に親はいない。

お父さんは私が産まれる前に死んだらしい。

だけどお父さんの写真は、
生まれてこの方1度も見た事がないため、真実は分からない。

むやみやたらに聞くのもなんだかなぁ、と思っていたからね。

お母さんは私が小学生の時に死んだ。
...殺された、と言う方が正しいけどね。

だから引き取ってくれた2人をまだ親だとは思っていない。

そのため2人をお母さん、お父さんとは呼べていないのが現状。

料理中に、そんな風に過去あった色々な出来事を思い出して、

結構“酷”な人生送ってんな、自分。

そう他人事のように思いつつ、苦く笑う。

すると、玄関のチャイムがなった。

誰だ、と思いながら火を止め、玄関まで向かい扉を開ける。

すると、ザーッと言う音が聞こえてきて、
初めて雨が降っている事に気付き、傘を手に取る。

さっきまで晴れてたのにな、なんて思いながら
入口まで向う。

『...え』

｢よー、元気？｣

だぼだほのパーカーを着て、片方の袖をぱたぱたさせているそいつ。

なんでここにいるんだよ、紅野...。