【色々な出会い】 ページ2
今日も今日とて、憂鬱な気持ちが拭えない。
転校生として紹介され、笑顔で自己紹介した後、
『目立ちたくないから』と言う理由で窓際の後ろの方の席にしてもらって、
...まぁ後にそれが逆効果だと気付く訳なのだが。
頬杖をつきながらぼんやりと外を眺めていた。
雲ひとつない空だな。
それとは対照的に私の心は雲で包まれてるってか？
やかましいわ。
そこから少しだけ目線を教室側に移す。
近寄るなオーラを纏っているのか知らないけど、さっきから回りに人がいない。
自意識過剰すぎるのかもしれないけど、それがやけにグサッときた。
...。
再び空に目線を移す。
その後、すぐに
「そんな傷つかなくても大丈夫だよ。」
と言う優しい声が前方から聞こえてきた。
即座に笑顔を張り付けて、声のした方向を向く。
一つ机を跨いだ前の席。
前の前にその声の持ち主はいた。
『あー...ありがとう？』
唯一私の近くにいたその子は、
私と目を会わせるとはは、と笑って、
今のこの状態の説明をしてくれた。
「ちょっと前にも転校生が来てね。まー...それが不良で。
しかも後ろの方の席って不良達が座るところだからさ。
ちょっと皆怖がってるんだよ。」
『なんであなたは私に話しかけてくれたの？』
「あ、因みに私の名前は遥香、だよ。
神山さん、自己紹介を見る限り良い子って感じだったから。
仲良くなれるかなって思っただけだよ。」
まぁ、一応つるんでた事はあるけどね。
こんなこと言ったらなんか申し訳ないから言わないけど。
『あー...えっと、咲良でいいよ。呼び捨てで。』
「じゃあ私は遥香でいいや。改めてよろしくね。咲良！」
明るくて、元気で、ずっと笑顔。
その姿を見て、何故か笑顔が溢れた。
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作者名：アポロ | 作成日時：2019年10月30日 17時
