★別れ ページ19
「A〜〜〜!俺ァ心配したんだぜぇ!どこ逝っちまってたんだよ!」
Fellが私に抱きついて言った。
「ごめんねFell〜…ちょ、ちょっと苦しい…」
私がそう言うと、Fellはあぁスマンと言ってハグをやめた。でも私から離れる気はないらしい。
「…A。」
不意に名前を呼ばれ振り返ると、そこには決まりの悪い顔をしたErrorが。
「俺ノせいだヨな…」
「ううん…そんなことないよ。私が無茶しちゃっただけ。…でも、これに懲りたらもう他のAUを襲ったりしたらダメだよ?」
Errorは俯き、頬を涙で濡らしながら静かにうなづいた。
Errorにもやっと、本当の愛を教えられたのかな。
「…さて、これで一件落着だね!」
Inkがパンと手を叩いて言った。
「結局は、全て“愛”で解決しちゃったんだ!!」
イタズラっぽく言う彼に、場が和んだ気がした。
「ねぇねぇ、でもAは元の世界に帰っちゃうんでしょ?寂しいなぁ〜…」
こう言ったのはKillerだった。
「そうだね……でもこの子は元々ここの世界の人じゃないから、きっと元の世界に戻った方が楽しいことがたくさんあると思うんだ。笑顔で見送ろうね!」
あれ、アッサリしてる。
本当にこんなに軽く私の夢のような時間は終わってしまうの?
Inkが私の目の前を筆を使って黒い絵の具で塗りつぶした。
これは見覚えがある。私がこの世界にやって来る時に飲み込まれたインクだ。
「このインクに飛び込めば、この世界にやってくる直前の時間に戻ることが出来る。捜索願とかは出されてないから、安心してね。」
「おい、Inkあまりに素っ気ねぇな…もっと別れを惜しんだりしないのか?」
Fellが尋ねた。
「だって…」
そこで1度言葉が途切れた。
「だって…これ以上一緒にいたら…帰したくなくなっちゃうから…Aちゃんのことが好きだからお別れするんだ。」
Inkの顔を見ると、必死に涙を堪えているのが伝わった。
「そっか、笑顔で見送る為のInkなりの作戦だったんだね…」
目を閉じ、息を吐く。別れる“決意”をしよう。
「私もみんなの事が大好きだから…いつかまた会えるって信じてる!!…だから、さよならは言わないよ。」
私はそう言ってInkをきつく抱きしめて、黒いインクへと飛び込んだ。
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ぬん(プロフ) - この作品が自分の初めて見る占ツクの小説でした!!2年前位の事ですけどね,,,この作品に出会えて本当に良かったです!!! (2022年5月22日 22時) (レス) id: 10faccd952 (このIDを非表示/違反報告)
auずきの人 - ヴヴゥ泣き倒れシチャッタヨォォォォ神だーーーーー!!!!こんなァーーハッピーエンドーーーーずるいょよよょよ (2021年6月8日 21時) (レス) id: c54597a49c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - うわああああああ!こんな神作作っていただきありがとうございますぅー! (2020年10月31日 20時) (レス) id: cd139ae848 (このIDを非表示/違反報告)
れい - こんなにいい物語を読ませて頂きありがとうございます!応援してます! (2020年7月29日 16時) (レス) id: 1655cf841d (このIDを非表示/違反報告)
木下 - 感動でしかないですううう!!!!これからも頑張ってくださいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!! (2020年5月16日 11時) (レス) id: 1f551fcc34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろーるけぃき | 作成日時:2018年1月28日 17時