二度死んだ少女は今度の世界を謳歌する

14ﾃﾞｽ目 ページ16

[まずは、チュートリアル:影の操作。]

303「お？なんだァ今の声？」

『テキストシステムって言ってたよ。』

303「…なんだ、ログが読み上げられてるだけか」

このEntity303、とても冷静。
勝手に脳筋とか思ってたよごめんね？

[個体Dh-019_fiinaは、自身の影に魔力を集中させて下さい。ヒント:貴女の影に力を込めるイメージをするといいでしょう。]

…僕を呼ぶ時はfiinaだけでいいのに。
ま、いっか。能力の使い方教えてくれるし、ヒントくれるし。

僕はイメージを固める為に目を閉じる。

影に力を込めるイメージか、そうだな……影…影の中に……神経…そう、神経が通る……影は僕の筋肉の一部……

[そのまま影の黒を抽出してください。ヒント:影を分離させる。]

分離？……今度は粘土。影は粘土みたいに不定形なんだ。だから…粘土を千切るみたいに影を千切る……

僕は一度目を開いて自分の影に手を伸ばした。

『形は無難に丸いボールでいいかな。』

僕の影から黒い球体が何かに引っ張られるように出できて、僕の手の中に収まる。

303「おー、すげェなお前。で、オレを殺すのは何時だよ。」

『ちょっと待ってよ。…これの形変えてみる。』

えーと、殺すのは凶器…凶器といえば刃物だ。だからそうだな…剣だ。細身の剣。この影は粘土、だけど完成すると本物そっくりになる。そういう事にしよう。

僕はそうイメージしながら黒い球体を握り潰した。黒い球体はあっという間にイメージ通り、細身の剣になった。しかも凄く軽いから振りやすそう。…だけど危ないから影に戻す。

303「おー、お前さ……転生主人公よろしくチート能力持ちなんじゃねーの？」

『それはちょっと思った。実際に転生してるしね。…ところでここって時間の概念どうなってんの？』

[個体Dh-019が気絶してから既に二時間弱が経過しています。]

それって出かけてから大体…五時間経ってるじゃん

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