ちゃんと優しくしてください【d!】 (ページ6)

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｢飲み会？｣

ファイルを手渡されながら、そう復唱する。

｢そうです、Aさん来れますか？｣

｢行けるよー、もうお店決まってるの？｣

｢確か浜田さんが予約するって言ってたはずです｣

｢浜田ちゃんか、センス良いから安心だね｣

アハハ、と愛想のいい笑顔を貼り付けるのはもう慣れっこだ。

(飲み会だるー)

飲み会、と称されたもはや拷問の定例行事はいつも私を苦しめる。
ゾムは女の子に囲まれて、私はそれを指くわえて見ているだけ。
上司に太ももを触られながら、同僚のどうでもいい話に相槌を打つ。

意味がわからない。なんでこんな仕打ちをうけなきゃいけないの。

働いてお金を貰う、それだけでいいじゃん。

鬱々とした気分で仕事をこなしていると、ピコンとスマホの通知音が鳴った。

『今日の夜どうですか』

発信元の彼を見ると目が合った。ニコリと余裕の笑み。

『いいよ』

短く返して、スマホをバッグに投げ入れた。