． ページ7
｢なあ、俺言ったやん。Aの身体傷つけるやつはA本人でも許さへんよって。…分かったって返事してたやん｣
｢っ！｣
乱暴に腕を引かれて、傷口が痛む。
｢は…！｣
ロボロくんは、あろうことか私の手首を、私の傷口に、舌を這わせた。
生ぬるい感触が、気持ち悪く手首に伝わる。
｢え、ぇ、やだ、ロボロくんやめて｣
彼はぢゅる、と血液を吸うと、恍惚とした表情を浮かべた。
｢なに…やってるの｣
か細く漏れた声は、拾われることなく床に落ちていく。
｢俺な、ずーっとずーっとAのこと見てきたんよ。やからAのこと全部知っとる。もしかしたら、A本人より知ってるかもしれん｣
つぅっと流れ出た血液を、ロボロくんが再び舐める。
｢あは、幸せやろ？自分のことこーんなに愛してくれる男がおって｣
そう流暢に喋る彼のワイシャツの隙間から、傷跡が覗いた。
私のリスカの跡なんかより、もっともっと痛々しい、生々しい、傷跡。
私は気付いてしまったのだ。
コイツこそ、本物のメンヘラである、ということに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 646人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
甘宮(プロフ) - 烏丸さん» ありがとうございます！わか らせが書きたくて･･･。更新停滞中ですがよろしくお願いします。 (7月4日 18時) (
レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
烏丸 - メンへラもの好きです…！しかもファッヘラとの組み合わせなのがまたいい…！応援してます！！ (7月4日 15時) (レス) @page20 id: 144a6ab78e (このIDを非表示/違反報告)
甘宮(プロフ) - ＿さん» ですよね！rbr×メンヘラの夢は私以外の方もたくさん書いてらっしゃるのでぜひ！！ (2023年4月9日 10時) (レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
＿ - rbrさんがメンヘラはなんか似合うと思ってしまった……笑 (2023年4月7日 13時) (レス) @page18 id: 1906228508 (このIDを非表示/違反報告)
甘宮(プロフ) - けんまおし1016さん» メンヘラいいですよね！しかもrbrでやるとよりやばいことになると個人的にはドキドキワクワクで書いてます…。コメントありがとうございます！ (2023年3月17日 17時) (レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：甘宮
| 作成日時：2022年11月26日 17時
