陰謀のただ中甘い恋慕 ページ37
鞄を開くと、無惨な姿になったノートが現れた。
板書大変だったのに。
板書以外、教師がそれとなく話したエピソードや要点、時代背景なども簡潔にメモして、ノート作りを頑張ったのに、この様だ。
はあ、と深いため息をついた。
｢…どうかしまして？｣
ミレーナが心配そうに声を掛けてくれる。
｢いいえ、大丈夫よ。昨日、寮監の仕事を遅くまでやっていたから疲れが溜まっているのかも｣
｢そんなに量が多いのなら、このミレーナを頼って頂きたいわ。姉様がお身体を壊してはいけませんもの｣
｢ありがとう、…でも大丈夫よ｣
そう取り繕っても、ミレーナは晴れない顔のままだった。賢い子なので、大方見当は付いているのだろう。
さっきからヒソヒソ聞こえる私の愚痴が煩わしかった。
声が聞こえる方に視線をやると、アナベルとマチルダが嫌な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
ツカツカと歩み寄ると、二人は驚いたように数歩後ずさった。
｢言いたいことがあるならはっきり言ってくださる？毎日陰湿な嫌がらせばかり、気が滅入ってきましたわ｣
二人が息を呑む。
まさか私が泣き寝入りすると思っていた？とんだお花畑野郎だ。
｢ねぇ、何とか言ったらどうなの？もしかして本人を目の前にしたら、何も言えない臆病な子ウサギちゃんなの？…フフ、可愛らしいわね｣
いつの間にか教室は水を打ったように静まり返っていた。
｢アンタ…！馬鹿にすんのもいい加減にしなさいよ！！どうせニンフェアの寮監になったのも、フューラー家のコネでしょう！？偉そうに…！｣
声を荒らげて言い返す。
フューラー家のコネ、か。当たらずとも遠からず。
｢どうってことない没落貴族出身のクセに、このわたくしへの口の利き方がなっていないんじゃなくって！？今すぐ床に這いつくばって許しを乞えば、まだ慈悲深い対応をしてあげますわよ！？｣
｢…どちらが上の立場が、分かってらっしゃらないようで。実力主義のグルッぺン様率いるハイドランジアに、そんな階級制度を持ち込むのはナンセンスですわ｣
言って聞かせるようにゆっくりと話すと、彼女は激昂した。
手を振り上げて…その手が私の顔面へ迫ってくる。予想外の出来事ゆえ何も反応出来なかった。
叩かれるのを覚悟して、ギュッと強く目を瞑る。
｢はい、そこまで｣
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甘宮(プロフ) - Kyo1214さん» コメントありがとうございます！つよつよな夢主ちゃん私も気に入ってます😽︎ (10月31日 21時) (
レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
Kyo1214(プロフ) - 甘宮さんの作品の夢主が大好きです！酷い目に遭ってもめげずに努力する夢主に惚れてしまいます！ (7月26日 17時) (レス) @page50 id: 641161536f (このIDを非表示/違反報告)
甘宮(プロフ) - wineさん» 返信遅れてすみません！他のアカウントの連載や、用事が色々重なって一時的に削除という形をとらせて頂きました。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありませんでした。温かいお言葉ありがとうございます。再び続編を出す予定ですので気長にお待ちください。 (2023年4月1日 10時) (レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
wine(プロフ) - 更新お疲れ様です！続編がなくなってますが、大丈夫でしょうか…？話が面白くなってきてちょこちょこ見に来てます。次の更新楽しみにしてますね！ (2023年3月17日 12時) (レス) id: a177b10476 (このIDを非表示/違反報告)
甘宮(プロフ) - 来空さん» 夢主褒められるの嬉しいです〜！これからも夢主ちゃんをよろしくお願いします！ (2023年2月27日 8時) (レス) id: 7aa9b04f20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘宮 | 作成日時：2022年11月10日 16時
