彼女は宝物のように大切に閉じ込められている。【d!】 (ページ2)

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暗闇の中で、暖かい熱を感じていた。

ずっと誰かが私を待っているような気がする。私も誰かを待っているような気がする。

あやふやな思考回路で、取り留めもなく好きに空想に浸るのは心地いい。

何年、何百年とこうしていたい。

あぁ、あたたかい。

ぼんやりと光を感じて意識が浮上した。

ゆっくりと目を開くと容赦なく灯りが飛び込んできて、思わずギュッと目を閉じた。

｢A･････？い、生き返った･･･？｣

微かに感じる人の気配が、そう言葉を発した。

｢Aが起きたーーっ！！｣

気配はそう大声で叫びながら、爆速で遠ざかって行った。足音と声が頭に響く。

少しの頭痛に顔を顰めながら、ここはどこだろうと周りを見回す。

天蓋ベッドに寝かされていたようだ。上からレースに縁取られたカーテンが降りていて、白い小部屋をつくっている。ふかふかのクッションや枕が私を受け止めて、厚い毛布が何重にもかけられていた。

自分の身体を見ると、異様に肌が白く、同じく真っ白なふわふわの髪の毛がくすぐったかった。

飾り気のないワンピースも白、ベッドも白。

雲の上にいるのかと錯覚してしまいそうだ。